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─お金があればなんでもできる─
それをモットーにこのなんでも屋をやってみたけど全然お客さんは集まらない。
何が足りないんだろう。
宣伝力かな?
「足りないのは実績だろ」
そう言われて後ろを振り向けば不貞腐れた顔をした千絃がいた。
どうやら心の声が漏れていたらしい。
「始めたばっかりだから仕方ないじゃん」
「適当にそこらの人をキャッチすれば」
「そういうことは「わかってる。冗談」
そんな会話をしながら時計を見ると午後2時を過ぎようとしていた。
「そろそろ翠達帰ってくるんじゃない?」
そう言いながら席を立つと同時に玄関の扉が開いた。
「すみません。ここってあのポスターのなんでも屋であってますか?」
そう声をかけてきたのは中学生ぐらいの少女だった。
「うん!あってるよ!何か相談事?」
「はい…あの…」
見るからに気弱そうな子で教室の隅っこで本をずっと読んでそうな感じがする。
「まぁ立ち話もなんだし、そこに座りなよ。」
「わかりました…」
「千絃ー、お茶持ってきてー」
「俺は召使かよ」
いやいや言いながら千絃はお茶を出してくれた。
こういうところは素直じゃないな。
「あの…ここってお金があったらなんでも解決してくれるって…」
「そうだよ!何か困り事?」
「……」
少し間をおいて少女は深刻そうな表情で話した。
「私、ストーカーにあっていて…先月からなんですけど、家まで帰るときに後ろから足音とかシャッター音とか聞こえたり…寝る時もどこからか視線を感じたりで、本当に怖くて…」
これは相当ヤバそうだ。
「金はいくら持ってんの?」
「千絃言い方が悪いよ…」
「5000円くらいなら…」
これを解決したら実績としてお客さんが増える…。
こんなんやるしかない!
「よし!引き受けた!」
「え、まじか」
「いいんですか?」
「最初のお客さんだから初回限定価格の1000円でいいよ!」
「ありがとうございます…!」
「あ、自己紹介がまだだったね。私は琥珀」
「俺は千弦だ」
「では…琥珀さん、千弦さんよろしくお願いします」
「「まかしとけ!」」