俺達はたった数分の違いで産まれた。
それだけで「兄」か「弟」かが決まった
年は同じなのに
数分産まれるのが早かった
なんでもできる優秀な兄とは違って
俺はただ図体のでかい弟として
生まれてしまった
父と母
最初はどちらかといえば俺を
愛していてくれた
だが
過ごしていくにつれ兄の方が
優秀だとわかると
見事な手のひら返しだった。
いつも兄が優先
俺は後回し
俺がまともに愛されていた期間なんて
たったの 10年 さ
幼いとき
俺のことを無駄に心配してくる
兄が嫌いだった
大嫌いだった。
転けたときに痛いのはこっちなのに
それよりももっと痛そうな顔で
自分事のように心配してきやがる
何兄貴ヅラしてんだよ
偽善者め
それは兵士になっても同じだった
兄は中佐にまで成り上がったが
俺はただの戦車兵だった
『お前の兄貴ってすごいよな!』
そう言われる度に兄を恨んだ
だから出来る限り兄とは
関わらないようにした
兄の情報も全て聞かず
偶然すれ違っても
目も合わせずに。
その兄は今昏睡していて
やっと比べられなくなったというのに
どうしてだろうか
『比べられなくなる 』
前は一番は望んでいたことだ
でも何故だろうか
とても良い気分ではないし何より
どうして俺はお前の病室に居るんだ
コメント
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変隊鳥さんの小説。読むの間に合ったぜ☆(謎の報告) 初小説が神すぎる✨サムネを見させていただきました。絵が上手すぎて一瞬、言葉失ったわ……続き楽しみにしています!!!!(* ˊ꒳ˋ*)