「──お、おはよー。裕哉くん、い、行こうよー。遅刻しちゃうよ?」
「はいはい、今行く」
「ね、ねえ、昨日さ、いつもの本屋にヤンキーみたいな人がいたから怖くて本買えなかったの。せ、せっかく昨日が販売開始だったから早く買いたかったのに・・・」
「ヤンキーも本読むなんて意外と真面目じゃん」
「えへへ──」
午前六時半に目が覚めた。夢を見た。なぜかそれを克明に覚えていた。やることも無かったから、裕哉はスマホを見た。LINEの緑のアイコンが目に映ったら夏帆の連絡先が気になってきてしまった。LINE交換したいな。インスタはやっているのかな。でもインスタなんかやっていなさそうだな。
裕哉は色んなことを考えていた。
──気付けば七時をまわっていた。
何気に土日にこんなに早く起きるのは久しぶりだった。
携帯が鳴った。従兄弟の孝汰からだ。裕哉はこんな時間から馬鹿だと思いながら、通話に応答した。
「ん?てか早すぎんか?まだ七時やぞ」
「いや、昨日ゲームしてねぇから早くやるぞ」
「いやアホすぎる」
「早よ開け」
裕哉はそのままゲームを開いて孝汰といつも通り、ゲームをした。
「ふぅー、疲れたわ」
「よもめぇ〜が弱いから俺手こずったやんけ」
「うるせぇ」
もう夕方だ。裕哉は今日は一日ゲームをした。来週の金曜から期末考査があるというのに、ゲーム三昧だ。
「なあ俺来週からテストやから勉強するわ」
「は?そんなん知らん。もっかいやるぞ」
「今知らせたから知らんことないわ、んじゃ」
──テレレン
勉強するから、と通話を切ったが、勉強には手がつかなかった。そそくさと風呂に入り、ご飯を食べ、ボーッとしてから寝た。
日曜。午前十時。昨夜は夢を見なかった。裕哉は考査初日の社会の歴史の勉強を始めた。社会。裕哉は社会が得意である。課題として出されたワークをすらすらこなした。要点や重要ワードもノートにまとめた。
その後は、ラストの一週間を確りと勉強に費やしたのだった。
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