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**♬未読スルーなんてしないでよ**
**♬私の声、聞いてほしいだけなの**
**♬弄ぶなんて酷いから**
**♬素直に言うね、きみが好きだから**
**♬…なんて言えないけど**
イヤホンから流れるのは、いつもの曲。
ベッドに寝転びながら、スマホの画面を見つめる。
『蓮は?』未読のまま、時間だけが過ぎていく。
「はぁ……」
ため息とともに、スマホを胸の上に置いた。
何度目だろう、この気持ち。
付き合ってるのに、なんでこんなに遠いの?
最初は優しかった。ロマンチックな言葉も言ってくれた。
でも、最近はそっけなくて、返信も遅い。
会ってるときはちゃんと笑ってくれるけど、なんだか心が追いつかない。
「もしかして、飽きられちゃったのかな……」
そんなこと、考えたくないのに。
翌朝、教室に入ると、蓮がいつもの席に座っていた。
スマホを触りながら、ふわっとあくびをする。
(……昨日の返信は?)
ちらっと彼のスマホを見るけど、そんな素振りはない。
どうせ未読のままだろうな。
意を決して、隣の席に座る。
「おはよ」
「おはよ」
それだけ。
それ以上の言葉はなく、またスマホに視線を落とす蓮。
(ねえ、私、ここにいるんだけど)
少しの沈黙に耐えられなくなって、思わず言葉が出た。
「昨日のLINE、見た?」
蓮は一瞬、指を止めた。
「……あぁ、ごめん。寝落ちしてた」
「そっか」
そう返すしかなかった。
本当かな?それとも、ただ面倒だっただけ?
そんな疑いが心の中をよぎるけど、怖くて聞けない。
「今日は放課後、空いてる?」
意を決して、もう一歩踏み込んでみる。
蓮は少し考えてから、「うーん」と曖昧な返事をした。
(また、それ…)
「行けたら連絡する」
そう言って、またスマホに目を戻す。
(行けたらって何?行くの?行かないの?)
モヤモヤしたまま、私は何も言えなくなった。
放課後。
スマホを握りしめながら、ずっと待っている。
蓮からの連絡は、まだない。
♬「I・LOVE・YOU」、待ってるよ
♬言葉じゃ足りないから、今すぐに
イヤホンから流れる歌詞が、胸に刺さる。
私、今まさに「待ってる」状態じゃん。
時計の針が、どんどん進んでいく。
「……行けたらって、結局来ないんでしょ?」
小さくつぶやいた瞬間、スマホが震えた。
**『今から行ける』**
画面には、たったその一言。
(遅いよ、バカ)
でも、それでも。
会えるなら、私は行っちゃうんだよ。