今夜、君の声が聞こえる

「　…みさん　」

「　あゆ…さん　」

「　歩さん　」

『　…ん、　』

「　おはようございます　」

『　…、？　』

いつも寝起きに移されるあの警察官とは違い、スーツを来た若い男性と女性がいた。

「　弁護士の鈴木と申します　」

「　佐藤です　」

『　…べん、ごし、　』

「　長い間待たせてしまい申し訳ありません　」

「　釈放です　」

『　釈放…、？　』

「　歩さんは冤罪です　」

「　早く、皆さんの元へ帰りましょう　」

『　かえ、れるんですか、？　』

「　はい、！　」

『　っ、泣　』

『　あり、っがと、ございます、泣　』

『　ありがとう、ございますっ、泣　』

「　遅くなって、申し訳ございません、　」

『　ありがとう…、ございます、泣　』

嬉しかった。

早くみんなに会いたかった。

抱きしめてもらいたかった。

「　歩さんが冤罪を掛けられている間、snowmanの皆さんはシェアハウスが決まったみたいです　」

『　…シェアハウス？　』

「　その方が楽だとかなんだとか、笑　」

あぁ、いつか忘れたけどマネージャーが十人もいたら送迎が大変だ！ってボヤいてたな、、

＿＿ SnowManの歩さんが、釈放されたことが分かりました。

＿＿ SNS上では、批判のコメントが相次いでいます。

『　…　』

「　…、　」

わざとでは無いんだろう。

助手席にいた、さとう、？さんがすぐにテレビ番組を変えていたから。

「　、こんなの今だけです　」

『　…はい、　』

浮かれていた。

抜け出せて浮かれていた。

メンバーは、本当はよく思ってないんじゃないだろうか。

沢山迷惑かけて、嫌な思いをさせて、

「　弁護内容については、また後日伺います」

『　はい、　』

『　ありがとうございました、　』

車から降りると、大きな建物が目の前にあった。

家の方へ進むと、人影が見えた。

私を見た瞬間一人はドアを開けて叫んでいた。

歩帰ってきた！！

って、涙声で。

これじゃあ、近所の人にすぐバレちゃうよ、

深澤 「　歩、　」

岩本 「　おかえ

岩本くんの言葉を最後まで聞かずに、家の中に走って逃げた。

途中で、阿部くんにぶつかったけど、振り向きもせず走った。

どこにどんな部屋があるのかも分からずに、ただひたすら、隠れたかった。

逃げたかった。

何から逃げたいかなんて分からない。

ネット上の批判から逃げたいのか、自分自身から逃げたいのか、彼らから逃げたいのか。

渡辺 「　歩！　」

下から翔太くんの声が聞こえた。

だけど、怖かった。

怖かったんだ。

お前はもう要らないって。ラウールだけでいいって。

捨てられるのが怖かった。

『　はぁっ、はぁ、泣　』

曲がった先にあった部屋に飛び込んだ。

『　はぁっ、はぁっ、泣　』

村上 「　…歩、？　」

『　…お兄、ちゃん、？　』

そこには、腕に管を付けて、点滴を流しているお兄ちゃんがいた。

next　…　1000