今夜、君の声が聞こえる

渡辺 「　歩！　」

『　ぁ、　』

深澤 「　…お話、しよう、？　」

『　ヤダ…、泣　』

村上 「　歩　」

村上 「　話したい　」

『　…　』

村上 「　…おかえり、　」

『　…ごめ、なさい、泣　』

『　ごめんなさいっ、泣　』

深澤 「　歩、　」

『　本当に、何もやってないの、泣　』

『　廉くんとも付き合ってないしっ、泣　』

『　スタッフさんも、連れて行ってないし、泣　』

『　大麻なんてやってないの、本当に何もやってないの、泣　』

岩本 「　分かってる、分かってるよ、　」

『　迷惑掛けて、ごめんなさい、泣　』

『　悪目立ちさせてごめんなさいっ、泣　』

『　ごめんなさいっ、ごめんなさい、！泣　』

渡辺 「　歩！　」

『　ひっく、泣　』

渡辺 「　お前本当に何一つ悪くねぇから　」

渡辺 「　大丈夫、大丈夫だから　」

『　ぅあ、泣　』

『　うわぁあんっ、泣　』

幼稚園児のように、声を出して泣いた。

いつぶりかって言うぐらい、目がしょぼしょぼするぐらい泣いた。

村上 「　歩、面会行けなくてごめんね　」

『　それ、なに、　』

村上 「　…　」

村上 「　俺が歩への態度変えたの覚えてる、？　」

『　覚えてる、　』

村上 「　あれより少し前ぐらいから、体調に異変が出てね、　」

村上 「　頭に腫瘍が出来てたの　」

『　…　』

村上 「　手術は成功するか分からないって　」

『　ぇ、？　』

村上 「　歩、俺が死んだら何するか分かんないからさ、笑　」

村上 「　じゃあ嫌われようって。　」

『　そ、んな、　』

村上 「　嫌いなヤツが死んでもなんとも思わないじゃん？　」

『　思わなくない、泣　』

『　ヤダ、泣　』

阿部 「　手術はもう成功してるんだよ　」

『　え、？　』

村上 「　手術してて面会に行けなくてごめんね　」

村上 「　俺はもう回復するから　」

『　良かった、泣　』

村上 「　また泣くの？笑　」

『　だってさ、泣　』

『　嫌われてたと思ってたから、泣　』

村上 「　うん、ごめん、　」

『　もう迷惑って思われてると思ったから、　』

『　さっき無視してごめんなさい、泣　』

岩本 「　俺らに怒られると思ったの？　」

『　…　』

静かに頷いた私。

その瞬間頭のてっぺんに痛みが走った。

『　いた、　』

渡辺 「　馬鹿じゃねぇの　」

深澤 「　んなわけないじゃん、笑　」

佐久間 「　皆歩のこと大好きなんだよ。笑　」

岩本 「　じゃあ、歩、　」

岩本 「　おかえり　」

『　…ただいま、！泣　』

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