――美々華は、白川との戦いの中でその身体を次第に疲弊させていた。
彼女の異能「誤認」は強力だったが、完璧ではない。白川にとっては幸いだった。
戦いは激しさを増し、二人の動きは流れるようだったが、美々華の内面では、思いもよらぬ一報が脳に伝わり、波紋を広げてた。
美々華
(え、は、え、ちょ、め、ま、え、ろ、ぺぇ、ラ、ライア……死んだの……?)
その情報は、美々華の脳内に響いた。ライア、彼氏が、息絶えたという事実がぐるぐると回り、彼女の意識を奪う。
美々華「ライアが……死んだ?」
心臓が不安定に鼓動し、呼吸が乱れ、冷静さを保つことができなくなる。心の中で死を受け入れられない自分と戦っていた。
白川結那「……」
白川はその隙を見逃さなかった。美々華の視線がぼやけ、足元がふらついているのを見た瞬間、彼女は直感で動く。
白川結那(今だ。)
その隙に、白川はポケットからナイフを取り出し、静かに構える。美々華の意識が遠くに飛んでいっているのがわかる。
だが、彼女は美々華が持つ異能に気をつけながら、近づいていく。
美々華「ライア……」
美々華はその名前を繰り返し呟き、敵をほとんど認識していない。彼女がどんどん無防備になっていくのがわかる。
白川結那「お前の異能を全て見てきた。」
その言葉と同時に、白川は一気に距離を縮め、ナイフを美々華の喉元に突き立てる。美々華は、何も反応できなかった。
驚くべきほどの冷静さで、白川はそのナイフを確実に美々華の肌に食い込ませた。
美々華「……っ!」
美々華の顔が一瞬、驚愕に歪む。反応する前に、白川はもう一度力を込めてナイフを引き、刃を美々華の喉の奥へと突き進める。
白川結那「これで終わりだ。」
美々華の目から光が消え、彼女はその場で力なく倒れる。
その瞬間、周囲の空気が一変した。現実が再び安定し、時が戻る。戦いが終わったことを示すかのように、静寂に包まれる。
白川結那は、ゆっくりと立ち上がり、ナイフを血に染めた手で見つめる。
その顔には、戦いを終えた達成感と、深い虚しさが入り混じっていた。
美々華の死を見届け、白川は目を閉じる。先に待っているのは、また別の戦いであり、終わることのない運命の輪であった。
コメント
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今回も神ってましたぁぁぁぁ!!!!! うん、まあそうなりますよね( 平和お姉さんなら絶対そんな反応すると思っていました((( いやー、白熱した戦いでしたわぁ、、やばかった(色々と) 次回もめっっっっさ楽しみいぃ!!!!!!!