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登場人物
主人公【海月 優弦】ウミツキ ユズル
友達【暁志 弦】アカツキ シズル
午後の授業も終わり、大学を後にして、俺達は、図書館へ向かっていた。今日の授業の、復習をする為だ。
(志弦)「優弦ー!」
「ん?どした?」
(志弦)「俺さぁ…。ちょっと腹減ったよー。」
図書館に行く途中で、志弦がそう言い出した。俺も小腹が空いていたし、ちょうど良いタイミングだ。
図書館で飲み食いは出来ないしな。
「確かにちょっとお腹空いたし、なんか買いに行くか。」
図書館からコンビニへ進路変更して、何を食べようか考えながら、コンビニへ向かった。
「俺、今は甘い物の気分だし、ケーキでも買おっかな。」
(志弦)「俺も、甘いもんが食べたい!なんか、甘いものをめっちゃ欲してる!」
「そう言う時あるよな。分かる。」
(志弦)「ゔーーーーん…。」
「決めたか?」
(志弦)「まだ決まって無い…。」
「何時まで悩んでるんだよ…。」
コンビニに来て、もう一時間は経っている。志弦が、チョコケーキとショートケーキの何方にするか、何時までも答えが出ない様なのだ。脳内で、チョコケーキ派と、ショートケーキ派で、乱闘が起きているらしく、チョコケーキ派はマシンガンを構え、ショートケーキ派は、日本刀を構えているらしい。
明らかチョコケーキ派が優勢だろ…。
マシンガンと、日本刀の力の差は歴然。チョコケーキが良いのなら、チョコケーキにすれば良いのに。
「なぁ。マシンガンと日本刀、どっちが強いと思う?」
(志弦)「マシンガンだな!」
「じゃあ、マシンガン構えてるチョコケーキにしたら?」
結局、チョコケーキもショートケーキも、両方買った。
彼の時間は何だったんだ…。
因みに、俺はモンブランを買った。
コンビニを出て、早速モンブランに齧り付く。ずっと糖分を欲していたから、何時にも増して、甘い物が美味しく感じる。
(志弦)「うめェ〜〜〜…ッ!!!」
「嗚呼…。染みるな……。」
(志弦)「おう…ッッ!!」
何週間か、絶食していたのか?と思う程に美味い。染みる。体が、糖分を欲していたのが分かる。
「志弦。落ち着いて食べなよ…。何も、両手に持って食べなくっても。」
(志弦)「だって、うめェじゃん…ッッ!!」
「其れは分かるけどさ(笑)」
(志弦)「つーか。優弦(笑)」
「ん?」
(志弦)「まーた口に付いてる(笑)」
「マジか(笑)」
(志弦)「ほら。」
自分で拭こうとしたんだが、志弦に先を越された。
「自分で拭けるっつーの(笑)」
(志弦)「お、うま!」
志弦は、俺の口元を拭いた時に、手に付いたクリームをパクッと食べた。
《優弦。付いてるよ(笑)》
「………。」
吐き気を催す程、嫌な情景が、脳内に鮮明に思い出される。甘い声色、優しい笑顔に心臓が跳ねる自分。
気持ち悪くなる程に、甘ったるい。
「ッ……。」
(志弦)「優弦?どした?」
「や、何でも…。」
俺は、グッと吐き気を飲み込んだ。朝の悪夢と言い、今日は、とことん最悪な日みたいだ。
「そろそろ、図書館行くか。」
(志弦)「おぉ、そうだな!」
志弦はとっくにケーキを食べ終わっていたし、今度こそ、図書館に行く事にした。
「図書館に行く前に、先に、ケーキのゴミを捨てに行こうぜ。」
(志弦)「オッケー!」
「…なぁ。優弦?」
「どしたー?」
(志弦)「ちょっと顔色が悪い気がするんだけど、大丈夫か?」
「………うん。」
不意に聞かれた質問に、心臓がグッと飛び跳ねたが、出来るだけ何時も通りの返事を返して、図書館へ向かった。