『 真、菜さん…、 』
真菜 「 久しぶり~ 」
真菜 「 美羽ちゃんが転校しちゃって暇してたんだぁ 」
『 や、やだ…、 』
真菜 「 車椅子なんだぁ、 」
『 離、してッ、 』
真菜 「 離すわけないでしょ?笑 」
『 どこにッ、 』
真菜 「 アンタが大好きなところ♡ 」
『 …はッ、 』
真っ暗な倉庫だった。
ボールが沢山積まれていて、
壊れた車椅子とかポールとか色々置いてある
いわゆる物置き場だった。
『 待って、 』
『 ヤダッ、 』
『 お願いしますッ、 』
真菜 「 あははっ!笑 」
真菜 「 本当に、惨め♡ 」
‘ ガンッ ’
ついさっきコーチに貰った車椅子を蹴られて、
固定していなかった私は、冷たい地面に投げ出された。
真菜 「 いつ気づかれるのかな~ 」
『 お願い、します、 』
真菜 「 あははっ!笑 」
そう言って、倉庫を閉められた。
多分、ドアと壁の間に何か挟んでいるんだろう。
『 ッはぁ、 』
ビクともしない。
『 お願いッ、泣 』
『 出してッ、泣 』
その時、
‘ ボンッ ’
何かが破裂する音が鳴った。
『 へ…、 』
その後に聞こえる悲鳴と、走る音、車椅子がカラカラなる音。
沢山響いた。
『 か、じ…、? 』
‘ パチパチ、 ’
おそらく火がすぐ近くまで迫っているんだ。
窓を頑張って開けて換気をしても、充満している煙。
『 ゲホッ、ゲホ 』
『 誰、か…、 』
__ 「 美羽! 」
『 れん、さん…、? 』
__ 「 美羽! 」
『 れんッ、さん、!泣 』
__ 「 ここにいるのか、? 」
『 助けてッ、泣 』
『 蓮さんッ、泣 』
‘ バキッ ’
目黒 「 美羽! 」
『 れ、さ…、 』
目黒 「 これで口抑えろ! 」
『 はッ、はぁッ、 』
目黒さんから貰ったハンカチを口に抑えて、
息がしやすくなる。
目黒 「 歩けるか…? 」
『 ん、 』
目黒 「 キツくなったら、運ぶから、 」
『 ゲホッ、はぁッ、はッ、 』
目黒 「 美羽、? 」
『 れ、さん、さき、いって、 』
目黒 「 置いてかないから、! 」
目黒 「 背中くっついてろ 」
そう言われ、寝そべる蓮さんの背中に乗らされる。
目黒 「 くッ、はッ、 」
時々聞こえる苦しそうな声。
だけど降りる気力も、考える気力も無くて、意識が遠のいていった。
渡辺 「 蓮! 」
渡辺 「 美羽! 」
コーチの声が聞こえて、安心したのか意識がプツリと消えた。
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