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10 - # 火事 ,

♥

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2024年06月16日

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『 真、菜さん…、 』



真菜  「 久しぶり~ 」


真菜  「 美羽ちゃんが転校しちゃって暇してたんだぁ 」



『 や、やだ…、 』



真菜  「 車椅子なんだぁ、 」



『 離、してッ、 』



真菜  「 離すわけないでしょ?笑 」



『 どこにッ、 』



真菜  「 アンタが大好きなところ♡ 」



『 …はッ、 』




真っ暗な倉庫だった。


ボールが沢山積まれていて、

壊れた車椅子とかポールとか色々置いてある


いわゆる物置き場だった。




『 待って、 』


『 ヤダッ、 』


『 お願いしますッ、 』



真菜  「 あははっ!笑 」


真菜  「 本当に、惨め♡ 」




‘ ガンッ ’




ついさっきコーチに貰った車椅子を蹴られて、


固定していなかった私は、冷たい地面に投げ出された。




真菜  「 いつ気づかれるのかな~ 」



『 お願い、します、 』



真菜  「 あははっ!笑 」




そう言って、倉庫を閉められた。


多分、ドアと壁の間に何か挟んでいるんだろう。




『 ッはぁ、 』




ビクともしない。




『 お願いッ、泣 』


『 出してッ、泣 』




その時、




‘ ボンッ ’




何かが破裂する音が鳴った。




『 へ…、 』




その後に聞こえる悲鳴と、走る音、車椅子がカラカラなる音。


沢山響いた。




『 か、じ…、? 』




‘ パチパチ、 ’




おそらく火がすぐ近くまで迫っているんだ。


窓を頑張って開けて換気をしても、充満している煙。




『 ゲホッ、ゲホ 』


『 誰、か…、 』 



__  「 美羽! 」



『 れん、さん…、? 』



__  「 美羽! 」



『 れんッ、さん、!泣 』



__  「 ここにいるのか、? 」



『 助けてッ、泣 』


『 蓮さんッ、泣 』




‘ バキッ ’




目黒  「 美羽! 」



『 れ、さ…、 』



目黒  「 これで口抑えろ! 」



『 はッ、はぁッ、 』




目黒さんから貰ったハンカチを口に抑えて、


息がしやすくなる。




目黒  「 歩けるか…? 」



『 ん、 』



目黒  「 キツくなったら、運ぶから、 」



『 ゲホッ、はぁッ、はッ、 』



目黒  「 美羽、? 」



『 れ、さん、さき、いって、 』



目黒  「 置いてかないから、! 」


目黒  「 背中くっついてろ 」




そう言われ、寝そべる蓮さんの背中に乗らされる。




目黒  「 くッ、はッ、 」




時々聞こえる苦しそうな声。


だけど降りる気力も、考える気力も無くて、意識が遠のいていった。




渡辺  「 蓮! 」


渡辺  「 美羽! 」




コーチの声が聞こえて、安心したのか意識がプツリと消えた。







next … 600

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