タクヤは不思議な夢を見た。
スーサ教の経典にまつわる夢だった。
教会で眠ったからだろうか。
明け方近くに目覚めたタクヤは、一人で寝室を出た。
トイレで用を済ませた。
そして近くの窓辺の椅子に腰掛けた。
外は静かだった。
すでに暴徒はいなくなり、重機作業もとまっている。
ひんやりとした夜明け前の空気が、音もなく窓から流れこんでくる。
タクヤは、空に浮かぶ雲の端が薄く紅色に色づいていくのを見ながら、つい先ほど見た不思議な”夢”を思い返していた。
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