TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
シェアするシェアする
報告する

No.22 ポポノサマ

魔虫類トリバネテフテフ科


・体長(平均)7m

・体重(平均)2500〜3000キロ


・生息地はドロップ地方のみ。人前には滅多に姿を現さない事から奥地に潜んでいるものと思われる。

・ドロップ地方での採集の際に……発見。(本当は離れた場所でコイツが動いているらしきものを見ただけ。丘が動いているのかと思った)


何かの神様かと勘違いしそうな荘厳な名前だが、実質はただのバカでかい蚕のような魔物だ。何故蚕に例えたかといわれると、姿が成虫のそれと類似しており、未だかつてコイツが何かを食べている光景を誰も見た事がないからである。


とはいえ野生のポポノサマは体色が白茶けた色をしている個体が多いので、蛾のようなタイプの魔物だと思われがちだ。


しかしこれは間違い……というか前提が間違っている。体色が白茶けた色をしているのではなく、飛ばずに地面を移動するので土埃が身体に付着してそういった色になっているだけ……本来は白く美しい見た目をしているのだ。


まあ、この魔物は見た目の割には臆病なようで、他の魔物や人間の目に触れるのを極端に嫌がり、常日頃から無益な逃避行という名の単独大移動ばかりしているのだ。そうなってしまうのも無理はないだろう。


ちなみにそういった理由で見た目は強そうな魔物であるにも関わらず、ポポノサマを育成、飼育している魔物使いは現在登録されている者の中には一人もいない。


一応蚕とは違い空を飛ぶ事はできるらしいが、それをしないのは周囲に自らの居場所を知られたくはない、のかもしれない。


だからといってコイツを追いかけ回したりはしない方が良い。いくら臆病でもこの巨体から繰り出される攻撃は恐ろしく強力だ。事実不幸にも悪気無くコイツの行手を阻む事となってしまった木々が前腕(前脚?)で粉砕されるのはたびたび目撃されている。


その威力は推測ではあるが俺の元いた世界の動物に例えると……体重の近いカバやサイに匹敵するかと思われる。いやはや、全くもって恐ろしい限りだ。


そしてこれは余談だが、名前に『サマ』がつく魔物はまだ何体か存在し、そのどれもがバカみたいにデカいかバカみたいに強い魔物であるらしい。


とりあえず呼び名に敬称がつけられている魔物に近付いてはいけない。という事だな。


無論、ポポノサマにもだ。

〜異世界魔物大図鑑〜

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

48

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚