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すごい…当たり前の大切さがわかったのがめっちゃ良い👏👏👏 よければ続きまってます
ぅ……🥹🥹🥹許されるなら続きが見たいです🥲
やっと気づいた感じがすごくすきです😿
nk side
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「 あ〜、もしもし? 」
「 …うん、分かった。 」
「 もう着くよ。 」
「 …うん、 」
「 …ええ、ゴム買ってないの、 」
「 …無しじゃだめなの? 」
「 …はは、笑 」
「 そんな怒んないでよ、分かったって笑 」
「 買っていくから、ちょっと待ってて。 」
「 …ん、また後で。 」
通話終了。
めんどくせえな、買っとけよ。
なんて思ったけど買っとかないと後々面倒な事になる。
そっちの方が最悪なので流石に買ってから行こう。
近くのコンビニへ入り、商品を手に取って。
店員さんにはどう思われているのだろうか。
まだ事を始めるには早めの時間帯、でも今日は早く帰らないと…、
そんな気がしていたけど、何か忘れてしまった。
…まあ、別にいっか。
ホテルへ入り、女と合流して。
シャワーを浴びたり、なんやかんやして。
いざ行為を始めて、しばらく経って。
女が艶やかな髪を揺らしながら俺の名前を呼んで。
ねえ、何回戦するの?元気だねえ、
なんて、幼児に話しかけるような口調で。
…あ、こいつイくな。
…あれ、初めて会った女なのに、なんでタイミング分かっちゃうんだろ。
それは、女が何回か達するのを見て気が付いた。
…あいつ … “ ボビー ” と達する時の癖が同じなんだ。
中をぎゅうっと締めて目を瞑る。
それは面白いくらい分かりやすくて。
すると、左腕が力強く握られる感覚。
…他の人のこと考えてた?彼女?
なんて聞かれてしまい。
本当のことなんか言わないに決まってるだろ。
「 …ううん、アンタの事しか考えてないよ。 」
脳内の標準を目の前の女に合わせ。
その後も続けていると、スマホが揺れる。
…電話、出なくていいの?
「 …あ〜、うん、いいよ。 」
横目でちら、とスマホを見やると、そこには“ ボビー ”の文字。
…今日は、何かあったっけ。
電話なんて、珍しい。
…まあ、ボビーの事だろう、どうせ大した用事なんて無い。
彼女に対してこんな態度はどうなのか、なんて言われてしまうだろうが、別に良いんだ。
ボビーが起きる前に出ていたし、特に関係も無いだろう。
…まあ、バレてるわけでも無いだろ。
鈍感なボビーの事だ、何も分かっていない、きっと。
半分自分に言い聞かせるように心の中でそう呟き、再び真っ直ぐ女を捉えた。
結局帰ったのは夕方頃で。
ああ、疲れたなあ、なんて思いながら彼女がいるであろう家のドアを開ける。
すると廊下を歩いて出迎えてくれるボビー。
『 、おかえり、 』
…ほら、笑ってる。
俺のしていることなんて知る由もない。
一応返事はしておく。
「 …ん、ただいまあ、 」
そう言って足早にボビーの横を通り過ぎる。
通り過ぎた後に、ボビーが何かをぼそっと言っていたけど、良く聞こえなかった。
そしてソファへ座って。
一息つきながらリラックス、なんて思っていたのに。
『 …もう、ええわ、 』
…?
急に何を言い出すんだ。
『 全部分かってたんやから、 』
「 …は? 」
全部って、何を?
どこからどこまで?こいつは何を知っている?
隠し通してきたつもりだったけど、もしかしたらバレているのかもしれない。
そう言うとボビーは直ぐにドアから出ていってしまった。
放心。
もしかして、今日も何をしに行ってたのか、分かってるのだろうか。
そう思って、考え込んだけど分からなくて。
「 …あ゛〜、くっそ、 」
頭を掻きむしりながらいつの間にか立ち上がっていたソファへ乱雑に腰を下ろして。
ふとテレビ台に置かれてあるカレンダー。
そこにはとある日にちに丸印が付けられいて。
…今日。
「 …あ、 」
自分から出たとは思えないほど情けない声。
そうだ、今日は確か、
ボビーとの1年記念日。
そんな日に限って俺は予定を入れて、朝からこんな夕方時までほっつき歩いて。
…やらかした。
気付けば家を飛び出していて。
辺りを見回って、探したけど。
見つからなくって。
長らくボビーとまともに喋っていなかったせいでどこへ行ったのか検討も付かない。
…ボビーはこんな男を、どんな風に思っていたのだろう。
毎日毎日帰りが遅くても、健気に食事を用意してくれていて。
それでも俺はボビーの事を散々蔑ろにして。
…きっと、もう俺の事なんて想ってくれていないんだろうな。
初めて感じた、失ったが故に理解出来る大切さ、
俺はずっとボビーがずっと横にいてくれるものだと思って日々を過ごしていたのかもしれない、
…いや、そう思って過ごしていた。
と言うか、何故ボビーは俺を選んでくれたのだろう、ボビーは気づいていなかったかもしれないけれど、実はりぃちょもボビーのことを好きで。
でも俺はその事実を知っていてもりぃちょになんかボビーを渡したくなくて。
今考えたら、絶対りぃちょの方が良いのかもな。
あいつ意外と一途だし、俺なんかと違って。
「 …何、やってんだよ俺、 」
「 …はは、 」
上を向いて、気が付けば降り始めていた雨を傘もささずに全身に浴びて。
自らの穢れを落とすために、なんて思ったけどこんな自分自身にこびりついた、汚すぎる穢れは何があっても落ちることはないだろう。
「 …こんな最低な俺を選ぶなんて、 」
「 …ボビー、物好きだね。 」
そんな独り言は気温が高い、あの夏のように。
雨と同じように、全て蒸発して消えていったような気がした。
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