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「…ん…?私、怪物と戦って…それで?」
気がついたら私は、ベットの上で寝ていた。「…夢だったのかなぁ〜アメジストちゃん、なんだかかっこよかったなぁ」
「夢じゃないわよ、ダイヤちゃん」
隣にいたのは白カラスのディアロだった。
「ディアロ!」
「まさか、忘れちゃった?昨日のこと」
「覚えてるわよ!あの子、すんごくかっこよかったわ〜!」
「…そこじゃなくて…」
ふと時計を見たら、もう7時半を回っていた。「あぁっ!遅刻だぁぁっ!」
「えぇ〜っ!!」
「ディアロ、またね!私学校あるからっ!」
ディアロは1人取り残された。
「…こんな調子で、大丈夫かしら」
学校にて私は自転車を必死にこき、学校に向かった。
「はぁ〜っ、ギリギリ…」
「…間に合ってないよ、金剛さん!」
「で、ですよね…あはは」
ギリギリで遅刻し、席に座った。
「疲れてるみたいだな、白穂」
「あ、咲ちゃん!」
「よう、お寝坊ちゃん。」
咲とは何かの縁なのかよく隣の席になる。
「なぁ、夢を見なかったか?」
「夢…?あ、みたよー!」
「どんな夢だ?」
彼は焦っているかのように聞いてきた。
「なんかねー、私が変身して怪物と戦うの。」
「それでね、なかなか強くて勝てなくて…そしたら、アメジスト?だっけかな?すっごくかっこいい人が現れて〜…」
私はハッと気づいた。
あれは夢じゃない、現実に起きていることだ、と分かった。
「あ、でも夢じゃないのかも!」
「だってほら!この黒い薔薇、昨日アメジストに貰ったのよ、このカケラも…?」
彼は急に顔を背いた。
「え、どうしたの?」
「なぁ、お前はさ…」
「なによ、溜めないでよ!気になるじゃない。」
「…それが、俺だって言ったら信じる?」
私はびっくりしてしまった。
え?昨日のアメジストちゃんが、咲ちゃんなの?
「はぇ?」
「ダメだこりゃ…つまりあれだ、えーっと」「だって咲ちゃんは、男の人で…」
「そうさ、男さ。」
「なら、あの髪の結んだ美少女は?!」
納得がいかないどころか、意味不明だった。
だって咲は男の人だし…あれ?訳が分からなく…。
「はぁ…仕方ない、今日の放課後空いてるか?」
「え、うん…空いてるけど…」
「俺の家に来てくれ。」
「やっだ〜!大胆ねぇ」
「ちーがーうっ!証明してやるんだっ!」
「ハイハイわかったよん」
咲は困ったヤツ…と腕を組んでいた。
そして放課後
咲と一緒に咲の家に向かった。
「おっじゃましまーす!」
「あら、咲おかえり…って、珍しいわねアンタ、いい女の子連れてるじゃない!」
「母さん、前にも話しただろ…この子は白穂だって」
「はいはい、分かってるわよ。」
私たちは咲の部屋に向かった。
「じゃぁ、今から変身するから見ててね。」「う…うん。」
咲は『アメジスト・べロッチ・ディスティーノ』と唱えた。
「まぶしい…」
紫の光が部屋を覆った…
光が収まり、目を開くと
「ア…アメジスト!」
「ほら、言ったでしょ。アタシがアメジスト。」
「嘘じゃなかったんだーキャー!」
「叫ぶなよ…」
なんだか嬉しかった。
同じ戦士なのもだし、すんごく似合ってるのもあった。
「改めて、宜しく。」
咲は変身を解いた。
「なんだか意外だなぁ〜」
「俺もだよ…」
「てか、なんでアメジストになったの?」
「俺は、おばあちゃんから貰ったアメジストからだ。」
話を聞くと、亡くなったおばあちゃんから貰ったアメジストがいきなり光り出して…
紫の小さい狼が飛び出し、ジュエリーリングを受け取ったらしい。
「そうだぞ、アメジスト。」
その狼が、宝石から飛び出してきた。
「ウル!起きてたのか?」
「ウルって名前なの?」
「そうだ、オレサマの名前はウルだ!よろしくナ」
「か、かっわいい〜!」
私はウルをぬいぐるみのように抱き抱えた。「ガゥッ!やめろ、やめろよぉ〜っ!」
「やめなさいよ、シホちゃん!」
ディアロが辞めさせたから、ウルは逃げ出してしまった。
「ウル、大丈夫か?」
「大丈夫だが…ディアロ!」
「なぁに?」
ウルとディアロはコソコソ話をし始めた。
「おい、あれが本当に姫なのか?」
「そうよ!私の目は間違えないわ!」
「…はぁ、ほんとかよ…」
そんな事を話していたらドンドンドンドンドンッ!と強いノックの音がした。
「わ、なんの音?」
「…はぁ…兄貴だよ」
ガチャと、扉が開いた
「おいおいおいおい!咲よぉ!可愛い彼女がいるなら言えよぉ!」
「だぁっ!うるせぇなぁ、大体兄貴に教えてもなんもメリットないだろうがっ!」
「え、お兄さん?」
お兄さんらしき人は私を見てニヤッと笑った。「ふーん…」
「よろしくお願いします!」
「…早くどっか行けよ、兄貴!」
「はいはい…彼女は可愛いのに、弟はなんでこんなに…」
「うっるせー!!」
「じゃぁな」
お兄さんは扉を閉めて出て行ってしまった。「お兄さん、面白い人ね!」
「…別に」
咲は何だか表情が暗かった。
「咲…?」
「…なぁ、お願いだ!兄貴には近づかないでくれ」
「な、なんでよ?ヤキモチ?」
「実は…兄貴は…」
彼は真剣な表情で私を見つめた。