乃愛…夢野乃愛(ゆめののあ)。量産型女子。
量産型だけど、オタクじゃないもんね!
乃愛には、好きな人がいるの。
その人は、幼馴染の黒崎朔(くろかわさく)くん。
乃愛は、”朔くん”って呼んでるの〜!
朔くんは、かっこよくて少しイジワルだけどホントはすっごく優しい男の子。
その上、頭もいいしスポーツもできる…そんなパーフェクトな男の子なんだっ!
そんな、朔くんが乃愛は大好き!
「朔くん!おはよ!」
「はよ、乃愛。今日も、量産型?いつも、言うけど気をつけろよ。男とかさ」
「え?なんでぇ?乃愛を好きになる男の子なんかいないから気をつけろって言われてもなぁ…」
「お前さぁ、なんでこう自己肯定感低いんだよ。そんな格好してんのにさぁ」
むぅ
「乃愛は、自己肯定感低くてもいいもん!別に、困んないし!!乃愛、怒ったからね!」
朔くん、見た目で人を判断しないでよね。
だって、乃愛好きでこの格好してるだけで性格も判断されたら悲しいもん…。
お洋服さん達も可哀想だし…。
乃愛は乃愛だもん!
「あーもう。ごめんって!機嫌損ねんなよ!でも、俺が悪かったよ。今のは。人を見た目で判断するのはよくねぇけど、乃愛はそのままでいいからな」
え?どういう意味?
まるで、そのままの乃愛が好きみたいじゃん!
勘違いかもしれないけど、嬉しくなっちゃうじゃん…。
乃愛は、ずっと朔くんのことが大好きだよ…。
朔くんはきっと、乃愛のことなんとも思ってないと思うけど…。
悲しいけど、朔くんには乃愛じゃなくてもっと優しくて可愛い女の子の方が好きだよね…。
Side.朔
俺には、好きな奴がいる。
幼馴染の夢野乃愛。
服装は、量産型だけど中身は全然違う。
世界で1番可愛くて優しくて友達や家族思いで…そんな乃愛が俺はずっと大好きだ。
多分、物心がつく前から乃愛が好きだったと思う。
いつも、こんな乃愛にだけは正直になれない俺でも優しく接してくれる乃愛がずっと大好きだった。
でも、そんな可愛い乃愛がモテないことはなくて…。
当の本人は気づいてないと思うが、男だけじゃなくて女にも人気がある乃愛。
だって、そりゃそうだろ。
誰にでも平等で、優しくて可愛くて…そんなん好きになるしかないだろ。
てか、もちろん化粧してる乃愛も可愛いけどすっぴんも世界一可愛い。
なんなら、宇宙一可愛い。
そんな顔を知ってるのは、幼馴染だけの特権。
まじで、自慢できる程可愛い。
まぁ、誰にも見せたくないから自慢しねぇけど。
そもそも、なんで告白しねぇのかって?
だって、もし告白して振られたら?
そうしたら、今みたいな幼馴染の関係じゃなくなるだろ?
そんなんしたら、乃愛が悲しむかもしれねぇ…。
乃愛の悲しむ顔は見たくねぇし…。
だから、乃愛にたくさんアピールして乃愛に俺を好きになってもらってから告白する!
いい考えだろ?
でも、勇気が出なさすぎてアピールすらできてない状態。
まじでやべぇ。
こんなんじゃ、いつ誰かに取られてもおかしくない。
まぁ、まずは聞き込みか。
乃愛が俺をどう思ってるか。
「乃愛、俺のことどう思ってる?」
「え?朔くんのこと?えっと…////す、好き、だよ?」
は?え?待て待て。
この反応って…。
まさか、乃愛も俺と同じ気持ち?
まさか…な…?
「朔くんは?」
「え?俺か?す、好きだけど?ずっと、乃愛のこと」
え、やべ。
自分で言っといて、これ告白みてぇじゃん。
え、はず…。
まだ、ちゃんとわかってねぇのに…。
「私、ね。朔くんのこと恋愛対象としてす、好きだよ?」
〜1話 終わり〜
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