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**♬ねぇ、私だけ見てる?**
**♬ねぇ、私をちゃんと好き?**
**♬小さな不安が胸を締めつけるの**
**♬だけど君の手が温かくて**
朝、目を覚ますと、心の中に小さなモヤモヤがあった。
昨日、蓮と手をつないだ。
それはすごく嬉しくて、心臓が爆発しそうなくらいだった。
でも、夜になってから、ふと不安がよぎった。
(蓮って、私のことほんとに好きなのかな…?)
私は、蓮のことが大好きだ。
でも、蓮は…?
口に出して「好き」と言ってくれたこと、ほとんどない。
「知ってる」とか「別に」とか、ツンデレっぽい反応ばかり。
(もし、私が一人で浮かれてるだけだったらどうしよう)
(蓮は本当は、私のことそんなに好きじゃなかったら…?)
そんな考えが頭をぐるぐる回って、朝から気分が沈んでしまう。
「はぁ…」
鏡の前でため息をついた。
でも、こんな顔で学校に行くのは嫌だったから、無理やり笑顔を作る。
「よし、いつも通り!」
そう言い聞かせて、家を出た。
「おはよー、絢音!」
教室に入ると、友達が明るく声をかけてくれる。
「おはよ!」
「昨日も蓮と帰ったんでしょ?どうだった?」
「え? あ、うん…普通?」
「なにそれ、もっと甘いエピソードくれよ~!」
友達がニヤニヤしながら言うけど、私は曖昧に笑うことしかできなかった。
「……ねぇ、蓮って、私のこと好きなのかな?」
「は?」
突然の質問に、友達は目を丸くした。
「ちょっと待って、何そのネガティブ思考」
「いや、だってさ…あんまり”好き”って言ってくれないし…」
「それ、ツンデレなだけじゃないの?」
「うーん…そうなのかな…」
友達の言葉で少しは安心したけど、まだモヤモヤが残っていた。
屋上に行くと、蓮が待っていた。
「お前、最近ため息多くね?」
「えっ?」
「朝も、なんか浮かない顔してたし」
「……そんなことないよ?」
「嘘」
蓮はジッと私を見つめる。
その視線にドキッとするけど、なんとなく目をそらしてしまう。
「……なぁ、絢音」
「ん?」
「俺が言わないと、不安か?」
「……え?」
急にそんなことを言われて、頭が真っ白になった。
「”好き”って、ちゃんと言わないと、不安になる?」
「……そ、そりゃ、ちょっとは…」
(ちょっとどころじゃないけど!!)
「…めんどくせぇ」
「えっ」
蓮がため息をついて、私の腕を引っ張った。
「わっ!? ちょっ、なに!?」
バランスを崩しそうになった私を、蓮はしっかりと抱きしめた。
「お前さ、俺がこんなことするの、誰にでもすると思う?」
「え…」
「お前だからするんだよ」
心臓が、爆発しそうだった。
「……ほんとに?」
「ほんとに決まってんだろ」
蓮は少しだけ私を離して、私の目をじっと見つめる。
「お前、ネガティブすぎんだよ」
「……だって、蓮、あんまり好きって言わないし…」
「俺は”言葉”じゃなくて、”行動”で示してるつもりだったけど」
「……うぅ…」
(それはズルいよ、そんなの…)
顔が熱くなって、私は蓮の胸に顔を埋めた。
「……じゃあさ」
「ん?」
「これからも、ちゃんと好きって言ってくれる?」
「……まぁ、考えとく」
「もう!ツンデレ!!」
思わず顔を上げると、蓮は少しだけ照れたように笑っていた。
**♬ねぇ、私だけのものだよね?**
**♬ねぇ、君も同じ気持ちだよね?**
**♬小さな不安は手をつないで溶かして**
**♬これからも、もっと好きになっていい?**
今日はちょっとネガティブになったけど、
蓮の言葉と行動で、少しだけ安心できた。
(もう少しだけ、素直になってみようかな)
そんなことを思いながら、私は蓮の手をぎゅっと握った。