何よりも笑って欲しかった。
正直誰よりも好きだった。
そんな男友達が私にはいた。
恋仲では無い、ただの友達。
最初はそんな風に思っていた。
でもあっちはそうじゃなかった。
好きだって沢山伝えてくれた。
私もその言葉に答えるように好きと言い合った。
お互いが満足仕切るまでその言葉は止まなかった。
神が言っていた運命の人はこの人なんだと初めて思った。
ある日彼は私に言った。
遠くに行くからしばらく会えない。
でもいつか迎えに来る。
その言葉を胸にいつまでも待っていた。
35歳、私は待ち続けてとうとう16年もの月日がたっていた。
「早く帰ってきて」
そんなこと言えるはずも、届くはずもなく、私は諦めた。
数年後、彼が大金持ちになって帰ってきた。
私は養子を引き取りそれはそれは大切に育てていた。
長い髪に、少し白髪が生えかけていた。
私を迎えに来てくれたとは思えなかった。
年老いた私など見向きもしてくれないと思った。
だけど彼は私に近寄りキスをしてくれた。
いつまでも変わらないと言ってくれた。
その時久しぶりに彼の笑顔を見た。
私の子供の笑顔とそっくりだった。
私は涙を流し、彼と次は結婚した。
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