ポテチの袋がついに底をついた。霧島は名残惜しそうに指についた塩を舐める。
霧島:「翔太……次のポテチ、取ってきてくれねぇか?」
翔太(妄想):「なんで俺なんだよ」
霧島:「お前……」
泣きそうな顔をする霧島に、翔太(妄想)はため息をつく。
翔太(妄想):「……しゃーねぇなぁ。」
霧島はうれしそうに見送るフリをしながら、ひとりごちる。
霧島:「やっぱ翔太は優しいな……。」
しかし、当然だが翔太は戻ってこない。霧島は5分、10分と待つ。
霧島:「……翔太? どうした? ……まさか……!!」
ガバッと立ち上がり、キッチンへ猛ダッシュする霧島。
霧島:「おい翔太! ポテチ探して迷ってんのか!? ……翔太ァァァァァ!!!」
当然そこには誰もいない。ポテチもない。
霧島:「……そうか、オレを置いて行っちまったんだな……。」
膝をつき、霧島は震える声でつぶやく。
霧島:「……もう、ポテチなんかいらねぇ……。」
その時、スマホが鳴った。霧島はおそるおそる画面を見る。
吉田(LINE通話):「霧島、いい加減妄想やめて仕事しろ。」
霧島:「……うるせぇ!! 今、翔太がポテチ買いに行ってるんだよ!!」
吉田:「お前んとこの冷蔵庫、空っぽだぞ。ついさっき見た。」
霧島は真っ青になる。
霧島:「……翔太、どこ行っちまったんだ……?」
吉田はため息をついた。
吉田:「……霧島、今からそっち行くからな。翔太とポテチの供養でもするか。」
霧島:「……兄貴……!!」