優衣視点
手遅れだった。
その時は絶望でしか無かった。正直悲しかった。辛かった。死にたかった。
兄が居ない生活。そんなことを次々と考えて言った。
兄は轢き逃げに会った。そして____死んだ。
もう見ることの無い顔、綺麗だった目がもう見えなくなっている。
でも、時間だけが過ぎていく。時は止まることはない。
自分は頭の中で整理が追い付かない。混乱だけが頭に残る。
何故兄が?兄が何をしたと言うんだ?と言う言葉だけだった。
咲愛視点
兄のことは優衣からはあまり聞いていないが、相当大切な兄だっただろう。
優衣は自分を憎むように泣いていた。
何時間も泣いていた。その目は絶望と狂気が混ざった代物だ。
その目は今まで見たことを無い目だった。
そして、時間が過ぎ、帰りになった。
「咲愛」…大丈夫?
きっと本人は大丈夫では無い事もわかっている。
でも、安静確認が必要だった。僕にはこれしか出来ないのだから。
「優衣」大丈夫…
無理に言っていた。所々引き攣っている。
自分にも何か出来たら_________
優衣視点
兄が居ない生活____何時も話してくれたのが束の間の様に寂しくなる。
「咲愛」今になって何だけど、自分家泊まる?
どうやら、咲愛も両親が幼き頃に無くして、今は唯一の弟と暮らしているそうだ。
「優衣」お邪魔しても良いの?
「咲愛」全然良いよ!人は多い方が楽しいから
そうやって優しく向かい入れてくれた。
咲愛の自宅は物凄く出来の良い豪邸だった。驚いた。
「咲愛」さぁ、入って
「優衣」お邪魔します…
此処は広く、全部が全部高価な物だ。
咲愛に部屋を案内してもらった。やっぱり広い。
この時、咲愛には分かってもらえるかと思った。
そして、自分の過去等全部吐き捨てた。
「咲愛」辛かったね…
そんな言葉は兄が言った事と同じだ。
今までの苦しみや憎しみを言ったせいか、何故かスッキリした。
今晩は泊まっていった。
そしたら咲愛が
「咲愛」いくらでも泊まって行っても良いよ?
と言ってくれた。遠慮なんて要らない。そういう顔をしている。
「優衣」分かった。それじゃあいつも以上泊まらせて貰うよ。
そう言って、何時も泊まらせて貰っている。
こんな日々が毎日続くと良いな。
コメント
8件
天才か何か?w
わぁ...