アメ日帝です。(地雷の方は回れ右)
NL注意
死ネタですので苦手な方は注意
アメリカ視点
蒸気機関車の中で時計を見ながら待つ。蒸気機関車の音に慣れない奴らは何事かと騒いでいる。向かっているのは日帝の所だ。
近づくにつれ不安が胸を満たしていく。彼女の家につくと耐えきれずにドアをノックした。
残念ながら俺のノックが響くだけで、返事はかえってこない。不吉な予感を抑えながらドアを開ける。
アメリカ「日帝!いるのか!日帝!」
家の奥に進み、ひたすら見渡しながら彼女を探す。すると、小さな返事が聞こえた。
日帝「此方にいる…大きい声をだすな…」
アメリカ「日帝!」
思わず寝室に駆け寄って、部屋に入る。彼女の顔をみて、思わず愕然とする。蒼白い顔が少し震え、苦痛の表情をしている。
日帝「英国殿とは違い…やかましい奴だな、」
アメリカ「日帝…」
不吉な予感が確信へと変わる。いくつもの死線をくぐり抜けてきたからわかる。蒼白い顔に少しの震え、人が死ぬ直前の顔だ。
日帝「あまり此方に来るな…感染したくないだろ、」
なんでなんだ。そんな考えが頭を回る。
日帝と初めてあったのは開国させたときだった。欧米諸国に直ぐに適応し、列強入りしたじゃないか。貿易したとき一緒に食事をするのが習慣になってたのに。
彼女が病気だなんて知りたくなかった。何時もの様にと日帝に会いに行こうとしたら、親父から声を掛けられたんだ。「日帝さんが流行り病に罹った」と聞いて直ぐに飛んでいった。
日帝「体調管理を怠ったかな…はは、」
アメリカ「食事はどうしてるんだ、その状態じゃまともに動けないだろ。」
日帝「部下が2日に一回…」
アメリカ「他には?」
日帝「…」
日帝が黙り込んでしまったので部屋を見渡す。汚れがあるので人の訪れがない事は明らかだった。
アメリカ「誰も来てないのか!国民が流行り病に罹った時は日帝は看病をしていたのに!」
日帝「うるさいぞ…誰だって病気は怖いんだ…仕方ないだろう」
アメリカ「fuck…」
寝室を出て、水と食事を用意する。念の為に湯も沸かしておこう。食事と水をお盆に乗せ、彼女に渡すとあまりの腕の細さにビックリした。
日帝「すまない…ここまでしてもらって…もう帰ってもらっても構わない、」
アメリカ「俺がそれではい帰りますと言うとおもったか?」
日帝は何か言いたげだったか、咳き込んで喋れなかった。
日帝「き、昨日…血を吐いたんだ…」
アメリカ「!」
日帝「知ってるだろう…血を吐いたなら、もう長くない…もって数日だ、」
自分の死が近いと悟っているからか、日帝の声には落ち着きがあった。客観的な口調だった。
アメリカ「冗談じゃねぇ…日帝まで俺を置いていくのか!?せっかく列強入りも出来たのに!?
置いて行かないでくれ…お願いだから…」
声がかすれて震える。
アメリカ「…愛してる。」
日帝の身体がビクッと震える。瞳を大きく見開き、死刑宣告されたような表情だった。唇を震わせ、何度も喋ろうとしたときだった。
日帝「私もよ…」
日帝「愛してる…愛してるわ、ずっとそばにいて欲しいの…」
アメリカ「あぁ…」
今にも死んでしまいそうな彼女を前に、俺はただ愛してる、と囁くことしか出来なかった。
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