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登場人物
主人公【海月 優弦】ウミツキ ユズル
友達【暁 志弦】アカツキ シズル
優弦の関係者【星生 璃舞】セイリュウ リム
「ふぅ…。」
久しぶりに、一人で過ごす時間が出来たのは嬉しかったが、昼食を取った後から、ずっと頭痛が続いている。一つでも体調不良が出てくると、今迄は、倦怠感は有りながらも、真面に動けていた体が、一気に疲れが押し寄せて来たのか、少し動くだけでもどっと疲れる。
(志弦)「優弦…?!なんかさっきより、顔色悪いんだけど…?!」
「あ、や…。大丈夫…。」
(志弦)「なんかあったら言えよ?無理するなよ?」
「うん。ありがと。」
(志弦)「今日は、都合が悪いので、放課後に遊ぶのは無しにしませんか。って…連絡したと思ってたんですけど…。」
(璃舞)「あ、ほんと?ごめんね。見てなかったよ。」
璃舞とは、タイミングが合わずに直接伝えられず、志弦が、放課後の遊びの断りの連絡を、璃舞に入れてくれていた様だ。俺が体調悪いのを察して、そうしてくれたんだろう。
(璃舞)「じゃあ…帰ろっか!」
今日は、放課後の遊びは無いと聞いて、俺は、すっかり安心仕切っていた。
(志弦)「じゃ、俺は此処で!またな!」
志弦は、途中から帰る方向が違う。要するに、璃舞と同じアパートに住んでいる俺は、帰り道の途中から、璃舞と二人きりになると言う事だ。
アパート迄の道が、果てし無く続いている様な感覚だ。歩いているのに、全く着かない。
早く着いてくれよ…。
頭痛も、倦怠感も、悪化して来ている様な気がするし、吐き気まで込み上げて来ている。体が重く、息が上がり始めた。
「はっ…はぁ…っ…はっ…。」
正直言って歩きたく無い。でも、歩かないと帰れない。
(璃舞)「優弦?大丈夫?」
いきなり、璃舞が俺の顔を覗き込んで来て、璃舞と目が合った。
「…ヒュ…ッ。」
グニャァと視界が歪んで、焦点が合わず、視界に映る物、全てが二重に見えた。今迄、道の先を見ていた視点が、地面を向き、いきなりの事で、回らない頭では状況がよく飲み込めない。重たく伸し掛かってくる瞼に抗っていると、二重に歪んだ、璃舞の驚いている顔が見えた。