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霊音×銘 (+ランス)
暇になったランスが霊音を煽る話
「ヒマだなぁ~」
ぐでぇ~とだらけているランスの目線の先には銘。ひまだ、ひまだ、と言いながらチラチラ銘を見ている。
「ヒマだよ~。なんかないの~?」
「ない。」
何かないかという無茶ぶりをバッサリと切り捨て、会話のキャッチボールを終わらせる。
「冷たすぎない?」
「暇なのはいつものことだろ」
銘の冷たい態度に口を尖らせるが、これ以上話しかけても構ってくれないと察し、何か面白いことがないかと探し始めるランス。
床に寝転びながら辺りを見回しても質素な家具と壁にもたれかかって座っている銘だけ。普段ならもう侑磨が来ているころだが今日は長引いてるらしい。
本当に、ほんっとうに暇をしていると銘がスマホをいじっている姿が目に映る。その瞬間、ランスの脳内に暇つぶしに最適な遊びの考えが浮かぶ。
これはいい。面白い光景が見れそうだ。
「ふふふ…」
不気味な笑い声を発していると銘が引いた目で見ていた。
「え、なに。怖いんだけど…」
いつの間にかランスと銘の間には結構な距離ができていた。
さすがはいつも霊音に様々なことをやられているだけある。不穏なことを察せば警戒心が強い。
少し近づけば近づいただけ離れていく。
「ねぇ、銘。ちょっとスマホ貸して?」
こてんと子供らしく首をかしげながらおねだりをしてみると、更に距離が開いて引いた目をしている。
「なんで距離開けるのさ」
「…急にお前が子供らしくするとなにか裏がありそうで怖い」
「ひどいなー」
そんなことを言いながら普通にスマホを渡す。ちょろい。
スマホを貸してもらって、早速計画を行動に移す。カメラを起動させ、銘を呼ぶ。
「銘ー。ちょっと来て」
「はぁ?なんだよ」
「いいからいいから」
訝しみながらも呼ばれたら素直に来る。
(…大丈夫かな?知り合いだからって普通に来ることってある?)
そんな不安になった気持ちを抱えつつ、できるだけ銘を傍に寄せる。
銘がランスの真横に来たのを確認すると、肩を掴み2人の顔がくっつくぐらい至近距離になったところで写真を一枚。
フラッシュの音に何が起きたのかわかっていない銘は目を白黒させるしかない。
そんな銘を横目に素早く写真を保存するランス。次に開こうとしているアプリはメールだった。
「え、なに?何されたの?というか、何しようとしてるんだよ?」
「止めないでよ。今からこの写真霊音に送るんだから」
「はぁ!?今すぐやめろ!」
「やだね~」
必死に送るのを止めさせようとしている銘からちょこまかと逃げながらも決してスマホを離そうとはしない。
一進一退の攻防を繰り返しながら、ランスは霊音に写真を送った。一言、「なかよし」と添えて。
「へへーん。もう送ったからねー!」
「もうほんっとにお前最悪…!」
用が済んだのでスマホを雑に返すと、銘は急いで削除に取り掛かっている。
そんなことをしてももう遅いだろう。霊音は銘からのメールに気づいてすぐさま保存をするだろうから。霊音の反応速度を甘く見てはいけない。
(さて、逃げますか)
霊音を煽るだけ煽ったので鉢合わせると後が怖い。
銘が削除の仕方であたふたしているので今のうちに逃げることにする。
「じゃーねー」
……………………
ん、銘くんからメール?めずらし。
もしかして寂しくなっちゃったとか?^^
「……(-“-)」
「どうした、霊音?」
「あ、いや、なんでもない」
「そ。さっさと仕事してよ」
「言われなくてもやるけど」
スマホを睨んでいたら、吸傘に仕事をしろと言われてしまった。
いや、こんな写真送ってくるほうが悪くない?
まぁどうせスマホ奪われて、いきなり写真撮られて、写真を勝手に送られたんだろうけどさ。(正解)
ランスくんは……ま、いっか。銘くんの写真送ってくれたし。
この「なかよし」はいらないと思うけどね!余計な一言送って来る必要性ないよね!?
「霊音。仕事しろ」
「あ、ごめん」
あ、やっと消えた。消しても秒で保存したから無駄なんだけどね。
銘くんの写真コレクションが増えたぞー♪
「霊音💢」
「はいはい。仕事します」
スマホを見すぎて吸傘がキレてきたのでいったん画面を閉じる。
今日ははやく仕事を終わらせよう。んで、銘くんを泣かせよう。
そう決めた霊音が仕事を終わらせるスピードはとてつもなく速い。隣で仕事をしていた吸傘が引くほどに。
仕事が終わり、にっこにこの笑顔で帰っていった姿を吸傘が冷めた目で見ていたことを霊音は知らない。
いつか書きたいと思っていたこのネタ。満足です。
銘くんは案外ちょろくて押しに弱い。そんな一面を書きたかっただけです。
うちの子はいつでもかわいい。
では、おつちゃまー