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こんちゃま、さばしおです!
フォロワーさんが20人を越えてめちゃくちゃ嬉しいですm(__)mアリガトウゴザイマス
これからもゆっくりですが投稿していきますので、良ければ見ていってください
今回は藍乃×桃猫
姉妹百合しか書いてないんだなぁ…
「桃猫?」
キッチンからはみ出ている灰色のしっぽに藍乃は問いかける。
「お、おかえり」
キッチンから顔を少し覗かせて桃猫は藍乃を迎えた。
藍乃の誕生日に何かを作ろうとこっそりキッチンに忍び込もうといないうちに…と動いたはいいものの、藍乃が帰ってきてしまった。
「なんでキッチンにいるの?」
「あ、えっと、なんでだろーね…」
目線を合わせないようわざとらしく顔を背け、脳内では必死に言い訳とどうやって乗り切ろうか考えている。
問い詰められることが確定しているような言い方だが、実際確定しているのでこのように考えているのだ。
「桃猫、これなぁに?」
桃猫が必死に脳内で考えを巡らせていると、藍乃がキッチンに置いてあるものを指す。
そこにはぐちゃぐちゃになった食べ物であっただろう物。
切っただけなのだがもう原型を留めていない。
更に目が合わせられなくなる。
絶対に藍乃は怒っている。
双子だからだろうか。気配で分かるのだ。
「…」
「…」
「……^^💢」
「……(-_-;)」
何故、藍乃がこんなに無言の圧をかけてくるのか。
それ、少し前に桃猫が「自分で料理してみたい!」と言って思いっきりフライパンを焦がしたからだ。
ただの炒め物のはずなのに桃猫が油を入れすぎて火柱が出て、フライパンが焦げたのだ。
それ以降桃猫は調理器具に触れることは禁止にされている。火を使うものを禁止にすればいいと思うのだが、藍乃は桃猫に過保護だ。
暗黒物質を生み出すよりいいでしょ。と桃猫は思っているが藍乃そうは思っていない。
一つフライパンが使えなくなったのだ。そらいつも穏やかな藍乃だって怒る。
「前言ったこと忘れたの?」
「いや、忘れたわけじゃなくて…」
じりじりと距離を詰め寄っていく藍乃に、それに合わせて後ろに下がっていく桃猫。
下がっても下がっても藍乃が詰め寄ってくるのでとうとう壁にぶつかり、これ以上下がれなくなった。
「この前言ったよね。桃猫は調理器具に触るの禁止って。」
「はい、言われましたね…」
「じゃあ、この食べ物らしきものは何」
「そ、れは、」
「なに?」
有無を言わさぬ笑顔で圧をかけられる。笑顔だが目が笑っていない。
今の藍乃には言い訳は通用しないだろう。
白状しないと解放されないと感じた桃猫。
仕方ない。本当のことを言おう。
「じ、実はね、もうすぐ藍乃と私誕生日でしょ?いつも藍乃がいろいろ作ってくれるから今回は私が作って藍乃を喜ばせようって」
こうやって口にすると恥ずかしいと思いつつ、桃猫は経緯を話す。
「だからこんなになっちゃったんだけど…」
目を合わせようと顔をあげると、藍乃の顔は横を向いていた。
「…?」
藍乃の方へ近づくと体をビクッと揺らし、一歩後ろに下がった。
どうして離れるのだろう。
藍乃が横を向いている理由もわからずどうしたらいいのか戸惑う桃猫。
「藍乃?なんで横向いてるの?そんなに私藍乃のこと怒らせちゃった?」
桃猫が思ったより藍乃はキッチンをぐちゃぐちゃにしたことを怒っているのだろうか。
訳も分からず(´・ω・`)顔をしていると藍乃が声をあげる。
「ッ~~~、わかった、わかったからそんな顔しないで!」
「……怒ってない?」
「全く怒ってないよ!」
「え、じゃあなんで顔横向けてたの?」
「ウッ、それはー…」
気まずそうに桃猫を見る藍乃。
さっきとは立場が逆転している。
「も、ももねが、その、」
もごもごと口ごもりながら訳を話す藍乃。
桃猫はそんな姿を見ながら次の言葉を待っている。
「………たの」
「え?」
「だーかーら!桃猫が、私のために動いてくれたのが嬉しかったの!」
そう叫んだ藍乃の顔は真っ赤。
「ぇ、ぁ、え…?」
「まじでさぁ、恥ずかしいから言わせないでよ…///」
藍乃が放った言葉に対して色んな感情が混ざってキャパオーバーになり、思考停止する桃猫。
言葉の意味は理解しているのだが、内容が頭に入ってこない。
どういうこと?藍乃が言ってることはほんと?
そんな考えが頭をぐるぐる回り動きが固まる。
そんな桃猫を見て少し落ち着いたのか藍乃が一息つく。
「…ふぅ、なんか桃猫見てたら落ち着いたわ」
まだ固まっている桃猫の手を取り、引き寄せて桃猫は藍乃の胸に着地。
そして桃猫の顔に手を添え自分のほうへ見るように顔を上げさせる。
「桃猫は私のことが好きなの隠してたっぽいけど、バレバレだからね。」
「え”!?」
「ほんとに気づいてなかったの?めっちゃわかりやすかったよ」
自分の好意が藍乃にばれていたことを知って顔から血の気が引く。
姉妹なのに好きになるなんておかしい。
そうやって藍乃から拒否される。
そうやって考えていた桃猫は藍乃の次の言葉は思ってもいない言葉だった。
「ね、桃猫。私も桃猫のこと好きだよ」
急な藍乃からの告白。
いきなりすぎて反応するのに時間がかかってしまった。
「…ふぇ!!?」
数秒遅れて藍乃の言葉の意味を理解する。
再び桃猫の頭が思考停止し、ロボットだったらプスプスとショートした音が聞こえてきそうだ。
一方藍乃はころころ顔色が変わる桃猫が面白いのか小さな声でクスクス笑っている。
「ほら、答え聞かせてよ」
「う、あぇ…」
藍乃がふわりと笑いながら首をかしげる。
桃猫にとって今の藍乃の行動は願ってもないことだ。
だが、このままOKしてもいいのだろうか。
藍乃の言葉を冗談と思いつつ、OKしたい気持ちがある。
「……」
「桃猫?」
悩む桃猫の顔を藍乃が覗き込む。
思わず顔を手で覆う。目が合うと答えられなくなりそうだからだ。
「…さい」
「え?」
「保留にして、ください……」
「え、この状態から断られることあるの!?」
「断ってない!断ってない、けど…」
OKしていないし、断ってもいない。保留にしているのだ。
決して、恥ずかしくてOKにできないわけではない。
顔が赤くなっているのを藍乃に悟られないよう隠す。
「いつか、いつか答えるから!」
「ほんと?」
「ほ、ほんとだから!だからもう、私を解放して…」
恋愛に疎い桃猫にはもうキャパオーバーである。
「答える」という言質をとった藍乃はすんなり桃猫を解放した。
「答えるって言ったからね。もう録音してあるからやっぱなしとかなしだからね?」
「えっ、録音!?」
「ほら」
藍乃の手にはボイスレコーダーが握られていた。
これで桃猫はもう逃げられない。
逃げ道を塞ぐ準備が早すぎる。
「じゃ、告白の答え待ってるからね」
「え、ちょ、あっ…」
桃猫の頬に軽くキスを落としてその場から藍乃は去っていった。
ぽかーんと呆けた顔をしながらキスされた頬に手を当てる。
さっきまでの出来事は本当のことだったのだ。
夢だと思いたい。思いたいが本当のことだと痛感させられる。
「これからどうすればいいの…」
困惑と心配が入り混じった小さなつぶやきが部屋に響く。
藍乃に誕生日プレゼントを作ろうとしただけなのにどうしてこうなったのか。
毎年のお楽しみなのに今年の誕生日は気まずくなりそうな双子なのだった。
長くなればなるほど文がぐちゃぐちゃになっていくのはどうしてなのか。誰か助けて
むずい。たすけて