コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
次の日。
朝、学校へ向かおうと玄関を出たら、なんと湊が家の前にいた。
「……え、なんで?」
「は?」湊はめんどくさそうにこっちを見て、ポケットに手を突っ込んだまま言った。「いや、昨日お前、悠斗と一緒に帰ってただろ?」
「え?それが何?」
「…別に。ただ、お前が道覚えたか気になっただけ。」
私はポカンとした。何それ。絶対違うよね?
「…そんなわけないでしょ?」
「はいはい。つべこべ言わずに行くぞ。」
勝手に歩き出す湊。なんで!?なんで一緒に行く流れになってるの!?
でも、昨日の湊の態度が気になっていた私は、なんとなく「まあいいか」と思ってしまった。
**—登校中—**
朝の風が心地よくて、二人で並んで歩いていると、なんだか妙な空気になる。
「……」
「……」
気まずい。いや、昨日からずっとこんな感じだけど。
すると、突然湊が口を開いた。
「お前、悠斗と仲良くなったよな。」
「え、まあ…?」
「ふーん。」
なに、その「ふーん」!?
「別に普通でしょ?悠斗、優しいし。」
「そりゃ、悠斗は誰にでも優しいからな。」
「え、それってどういう意味?」
「そのまんまの意味。」
なんか、湊の言い方が引っかかる。もしかして、悠斗のことあんまり好きじゃないの?
「悠斗のこと、嫌い?」
「別に。」
即答。でも、この「別に」は信用できない。
私はなんとなくジーッと湊の顔を覗き込んでみた。
「……なに。」
「いや、なんか今日の湊、変だなーって思って。」
「は?どこが。」
「うーん……昨日からずっと機嫌悪そう?」
湊はピタッと足を止めた。
「……お前、鈍いな。」
「は?」
「いや、なんでもねー。」
また歩き出す湊。え、なに今の?めっちゃ意味深なんですけど!?
もう、湊ってほんとによくわかんない!!
**—教室にて—**
朝のモヤモヤを引きずったまま、私は教室に入った。すると、悠斗がすぐに私を見つけて笑顔を向けてくる。
「せりな、おはよう!」
「あ、おはよう!」
「昨日、ちゃんと家まで帰れた?」
「うん!ありがとうね!」
「よかった!」悠斗はほっとしたように笑う。相変わらず優しい。
…って、ん?
横を見ると、湊がこっちをじーっと見ていた。
え、なにその顔。
めっちゃ不機嫌そうなんだけど!?
「…なに?」
「別に。」またそれ!?
でも、絶対「別に」じゃないよね!?
悠斗はそんな湊の態度に気づいたのか、ちょっと困ったように笑った。「湊、もしかして嫉妬?」
「……は?」
「せりなと仲良くするの、気にしてる?」
「はぁ!?んなわけねーだろ!!」湊はめちゃくちゃ動揺した顔になって、机をバンッと叩いた。
「お、おお…」私はびっくりして思わず一歩引く。
「いや、だってさ~」悠斗はニヤニヤしながら、「昨日も帰り道、ずっと俺とせりなのこと気にしてたし。」
「…っ、」湊は何か言い返そうとしたけど、言葉を詰まらせた。
もしかして…ほんとに嫉妬?
…らしくないなあ。
「……はぁ、めんどくせぇ。」湊はボソッとつぶやいて、結局それ以上何も言わなかった。
でも、私の心はもう大騒ぎだった。
湊、絶対何か隠してるよね!?