それでは本編スタート!
みほり視点
ガラガラッ
いつも通り教室に入り、自分の席に着いた。
しかし今日はいつもと違うことがあった。
「おはよう、みほりくん」
「お、はよう…」
隣の席の藤原くん。僕のこと覚えてくれてたんだ。ちょっと嬉しいな。
「ねえ、もし良かったら今日移動教室とか一緒にいてくれない?」
彼が不安な顔つきで聞いてきた。
「あー…」
どうしよう、いつも賢太とか明と一緒に行ってるし…今日くらい、いいかな?
2人には後で言っておこう。
「うん、いいよ」
「ほんと?ありがとう」
藤原くんの顔が明るくなった。
「わ”っ…」
顔が良すぎて眩しい。やばい。
「どうしたの?」
「なんでもないよ、大丈夫」
今日は一日中藤原くんと一緒だった。
あれから数日、僕と藤原くんは結構仲良くなった。
「お昼一緒に食べよ」
「うん」
「一緒に帰らない?」
「いいよ」
「今日遊びに行こー」
「いいね、行こう」
そういえば最近、賢太とか明、それに相田さんと話せてない気がする。気のせいかな? でもまあずっと藤原くんと一緒にいるから… 明日は話しかけてみようかな。
「いやー、お前すげえな」
「え?何が?」
廊下で明達に話しかけてみると、そう言われた。
続けて賢太が言った。
「みほり、小さい頃からああいうクラスの中心にいるタイプの人と喋ったりするの苦手だったのに」
「あー、確かに…」
言われてみれば不思議だ。なんでかな?
「先輩、最近教室行ってもいないから何かあったかと思いましたよー!」
「あ…ごめんね、クラスの人と食べたから…」
ちゃんと言ってなかったな。ごめん、相田さん。
「全然大丈夫ですよ!」
「よかったな、相田ちゃん優しくて」
「良かったです」
「…………あの」
「?」
「なんか…寒気がするんですが…」
「「あー…」」
「やっぱ、そうだよな」
「俺も思った」
「え、何の話?」
3人が何を言っているのかさっぱりわからない。
「こんにちは」
ふと、後ろから聞き慣れた声がした。
「藤原くん…」
振り向くと彼がいた。僕らが話しているのが気になったらしい。
「君達は確か…みほりくんといつも一緒に “いた”3人だよね?えーと、名前…?」
「代々木賢太ですぅ⤴︎︎︎」
「俺は田中明だよお?」
「相田美花でございまーす」
「そっかあ、よろしくねえ?煽」
「「「よろしくー(お願いします)」」」
なんか様子がおかしい。どうしたんだいきなり。
「どうしたの、4人とも…」
「なんでもないよ?圧」
賢太、いやそんなわけないでしょ。
しばらく沈黙が続いたあと、周りから女子達の黄色い声が聞こえてきた。
「藤原くーん!ねえねえ、ちょっと来てー!」
あ、そういえば藤原くんってモテるんだよね。
「……ちょっと外すね、ごめん」
「うん、行ってらっしゃい」
「なあ、みほり」
「?」
「お前、藤原になんかされてない?」
「されてないけど」
「よかった…」
???。
全く言ってる意味が理解出来ぬぞ。
「先輩、あいつ…((じゃなくて藤原さんのこと気をつけたほうがいいですよ?」
「全くその通りだ」
おい、さっきから明、付け足しの言葉しか言ってないような気がするぞ。ま、いっか。
うと視点
「……チッ、せっかく僕だけと話すようにしてたのに…ボソッ」
「藤原くん、何か言ったあ?」
「ううん、なんでもないよー?爽」
「キャアーー!」
女子の歓声が聞こえる。
かっこいい、素敵、そんな言葉が聞こえた。今はもうそんな歓声、どうでもいいけど。
夕方、大きな家の広い部屋の中で1人、青年が呟く。
「本当に可愛いなあ…!悪い虫が着くから…早く僕のものにしなきゃ…
周りについてるあの3人が邪魔なんだよなあ…。特にあの幼馴染…代々木だっけ…
どうにかして、離さなきゃ…
あいつ、俺の気持ちに薄々気づいてるっぽいし…
あ、そうだ。今度、僕ん家に呼ぼう…」
青年はそういいベッドに入った。
どうやら1つ作戦を立てたらしい。
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