◆ご本人様とは一切関係ありません。
◇誤字脱字等ありましたら教えて下さると嬉しいです。
◆途中で力尽きたので中途半端です。気が向いたら続きを書こうと思います。
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今日はクリスマスだし、と自分を甘やかしてコンビニで少しお高いショートケーキを買った。そのケーキが2つ入りだったからかフォークが2本。店員の優しさが今は逆に苦しかった。ごめん、俺は今日ぼっちなんだ。
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「……はあ〜〜〜〜。彼女欲しい……」
何もついていない真っ黒なテレビに反射したひとりぼっちな自分が目にうつる。
「顔は別に悪くないと思うんだけどなあ…」
ピンクに染めた髪と両耳についている大量のピアス。どちらかと言うと女顔で綺麗めの顔。鼻も高い方だし歯並びが悪い訳でもない。
ブリーチしすぎて少し髪は傷んでいるけれど。
ガタッ
「っ?!……な、何…?!え、何…?」
1人寂しくケーキを食べながらごちていると突然後ろから物音がした。振り返っても当然誰かいるわけではない。
「な、なになに…怖いんだけど、」
クリスマスイヴに心霊現象…?そんなんたまったもんじゃない。そんな事を考えながらとりあえず今倒れた写真立てを直す。
「この写真…」
物心ついた時からそばにあったこの写真。実家を出る時もなぜかこの写真とは離れてはいけないような気がして持ってきたんだった。
「……ッ」
ずっと写真を見つめていると酷い頭痛に襲われる。今日はもう寝よう。
氷のように冷たくなったベッドで眠りについた。
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「…………んん、……」
アラームのスヌーズで目が覚めた。2度寝する気も起きず暖かい布団の中でスマホをいじる。
「……はあ、起きるか…」
スマホでニュースを読んでも、ゲームをしようとしてもどこもクリスマス仕様で嫌になってしまった。
のそのそとベッドから出てちらりと姿見を見る。
「………は、」
寝ぼけているんだろう。そうに違いない。1回目をちゃんと覚まさなければ。顔を洗ってこよう。
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「よし。…………なんでいんの?!?!」
冷たい水で顔を洗い、鏡をもう一度見てもいる。
何がいるかって?
…俺の後ろにふよふよ漂っている半透明の男
『…え、俺の事見えてるん?』
「見えてますけど!?」
『え、いつから?』
「今日起きてからだけど…てかお前誰?」
『…誰やろね。』
「はぁ?!」
『朝から元気やな〜。』
ヘラヘラした態度で俺の質問にちゃんと答えようとしない幽霊(仮)。
てか今日見えるようになっただけでこいつはずっと俺の後ろにいたんじゃ……。考えるのはやめよう。悪寒がする。
「はぁ…。名前とかないの?」
『ん〜特にないなぁ。ないこがつけてや』
「なんで俺の名前知って…って、ずっと傍にいたんだろうし当たり前か。んん…名前〜?」
『かっこいいのにしてや〜』
「え〜かっこいいの…?…いふ。」
『いふ?いふってIf?もしも?』
「そー。なんかおしゃれでしょ?」
会社のメール確認してたらIfって単語が目に付いただけなんだけど。気に入ってそうだから黙っておこう。
「あ、そういえば昨日写真立て倒したのお前?」
『おう』
「なんで?!めちゃめちゃビビったんだけど!」
『だって俺という存在がおるんにないこが彼女欲しいとか言うから。』
「はあ?!別に彼氏でもなんでもないだろ!!」
『そんな事より!今日どうせ暇やろ、イルミネーション見に行きたいな〜〜』
「勝手に見に行けば…」
ほんとなんなんだこいつ。さっきから質問ばっかしてくるくせに俺がする質問にはまともに答えてくれない。人の神経を逆撫でする天才か。
『ないこの傍から離れられないようになってるんやもん。んね、一緒に行こうや』
「それ傍からみたら俺ぼっちでイルミ見に行ってるみたいになるじゃん……はぁ、仕方ないな。いいよ。」
断ろうといふの顔を見るとすごく分かりやすくしょんぼりしてて流石に可哀想になってきたから仕方なく、仕方なーく了承する。別に暇だったからとかじゃない。別に。
『!!ほんま?!!』
「ほんまーー。だから夜になるまでは大人しくしてて」
『はーい!』
クールに見えて結構表情コロコロ変わるんだな。なんか、犬みたい。
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「うわ、カップルしかいねぇ…」
やる事が一段落し、電車に揺られてやってきたイルミネーション。予想通りカップルがそれぞれの世界に入ってイチャついている。もう既に帰りたい俺とは違い真っ青な瞳に光を反射させキラキラしているいふ。
…いふって言いにくいな。まろって呼ぼ。
「それにしても寒い…もっと厚着してくればよかった……。」
『じゃあこうすれば……あ、』
俺の方に近寄って手を伸ばしてくるまろ。…が、まろの手が俺の体をすり抜ける。
「…手、繋ごうとしたの?」
『あはは、触れないの忘れてたわ』
眉を少し下げて寂しそうに笑うまろの顔を見てなぜか懐かしいと思った。
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触れられないくらいならずっと見えないままでよかったのに。
目が合う度、呆れたような笑顔を見せる度、俺の名前を呼ぶ度、何百年も前に心の奥底に追いやったこの想いが溢れてきてしまう。
『この罪を許す変わりに来世では片方の記憶を消す。』
鼻と頬を赤くしてイルミネーションの写真を撮っている君。結局お前も楽しんでるやん。
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次の日。
「まろの事見てると懐かしい気持ちになるんだよね。」
『え、』
突然だった。なんで、記憶は完全に消えてるはずなのに。なんで、そんな事あるはずわけない。嬉しいと不安が混ざってよく分からない感情になる。
「なんでだろ、会ったことあるとか?」
冗談のつもりで言ったんだろう。
『あるよ。ずっと前に』
「え?」
『なんでもない。なんでやろね?似てる人じゃない?』
「そう、かな」
何百年も前、恋人だったんだけどな。
コメント
2件
あーすき これか、裏垢あげてたやつ まじ悲しい 報われろ青桃
うわあああめちゃくちゃ切ないです好きです🫶🏻 序盤の写真立ての写真めっちゃ気になりますね…何かしら青くんとの関係性を示唆するものなんだろうけど桃くんは青くんを思い出せない…???