呪術高専の裏側で成り上がった俺　上層部が糞すぎて修羅場に

アリシアは激闘を続けていた。眼前には宿儺戦に加わった仲間の姿があり、戦況は変動している。

しかし、疲れと痛みが彼女を襲い、体力が限界に近づいているのが感じ取れた。

「――まだ、いける。」

アリシアは強く思い込もうとしたが、体が動かない。その瞬間、痛みが彼女の胸に走り、咳き込みながら口から血を吐き出した。

「…くっ…！」

血が唇から溢れ、彼女は膝をつくぼやけ、意識が薄れていく中、彼女は必死にその場を立て直そうと試みた。

しかし、その体はもう耐えられないほどのダメージを抱えていた。

「どうした、アリシア！」

伏黒恵が声をかけ、彼女に駆け寄るが、その手に触れることすらも困難に見えた。

アリシアは顔をしかめ、少し顔を上げて答える。「大丈夫…だけど、こっちの攻撃も限界だ…。」

その言葉と同時に、また一度咳き込み、今度は血が彼女の口から止まらなくなった。

体の震えがひどく、もう立ち上がる力も失いつつあった。

戦場では、宿儺が依然として圧倒的な力を誇示しており、その周囲では絶え間ない戦闘が続いていた。

秤金次は領域展開を駆使して宿儺と戦っていたが、その効果が限界に近づきつつあり、宿儺の反撃が強力になってきていた。

「このままじゃ、持ち堪えられない…。」

アリシアの状態を見守っていた伏黒は、内心で焦りを感じていた。

しかし、アリシアはその焦りに気づくことなく、力強く言葉を絞り出す。「…伏黒…お前が戦ってる間、私は…なんとか…。」

彼女は顔を上げ、戦い続けようとする。しかし、その姿勢がどれだけ必死でも、無情にも体は彼女に反応しなくなっていく。

「アリシア…無理だ、もう休め。」

伏黒が強く言ったが、アリシアは首を横に振る。

「私は…みんなを守る…」

その言葉を言い終える前に、再び血が吐き出される。彼女の体が限界を超えていることは明らかだった。

その瞬間、アリシアの目前に、突如として闇が広がる。視界が暗くなり、意識が遠のいていく。その中で、彼女は確かに感じた。

「アリシア、もう無理だ。休め。」

その言葉が響いたような気がしたが、次の瞬間、彼女の意識は完全に途切れた。

その時、アリシアの体は完全に地面に倒れ込み、周囲の戦いの音すらも耳に届かなくなった。

しかし、奇妙なことに彼女の体はまだ生きていた。血が止まる気配すらなく、周囲にいた者たちはそれを見て目を見張る。

伏黒恵はすぐにアリシアの近くに膝をつき、手を彼女の首にあてる。「アリシア…頼む、しっかりしろ。」

その言葉に反応するように、アリシアの呼吸がわずかに感じられる。しかし、まだ完全には意識が戻っていない。

「大丈夫だ、アリシア。必ず助けるから。」

伏黒はその言葉を噛み締めるように言い、すぐに回復を試みようとした。

だが、その間にも戦いは続き、宿儺の圧倒的な力が戦場を支配し始めていた。

伏黒はアリシアを抱え上げながら、その戦いを続ける決意を固めた。「お前が戦っている間、俺が絶対にお前を守る。」

アリシアは彼に身を委ね、伏黒の腕に支えられていた。しかし、命を繋ぐその時間も長くはないことを、伏黒は知っていた。

そして、その時、伏黒は決心する。自分の全てを賭けてでも、アリシアを守り抜くと。

その決意が強くなるにつれ、戦いの余波で揺れる空気の中、伏黒の目に宿儺の影が迫る。

次なる一手が、運命を変える──。