SHIELD

「おはよー」

「おはー」

いつもの学校の雰囲気だ。

とても落ち着く。

「来たか！ネマ！」

やっぱり落ち着かないかも。

「あ、うん。」

「まぁ元気出していこうぜ！」

「次補助魔法の授業だからな！」

授業が開始してまもなく、

今日最大のピンチかもしれない。

「今日は..ネマ。あなたがやってご覧なさい。」

「えっ…」

浮遊魔法の授業だった。

(どうしよう出来るのかな…)

「先生ーネマは防御魔法しか出来ませんよー」

「あはははは」

「あ、そうでしたわ。ごめんなさいね。」

なんだかとてもいつもらしい。

次の授業になった。

「今日は魔法強化訓練をするぞ。」

「自分の得意とする魔法を徹底的に底上げするんだ。やり方は至って簡単だ。ただ繰り返す！それだけだ！」

あ、これ、リンさんとやった訓練だ。

授業でもできるんだ。

「うぉーーー！見ろよこれぇ！」

「シンのやつ超どでけぇファイヤボールだ！」

「うわぁーー！！」

みんながシンくんを注目している。

あまり自分の魔法が見られたくないので今のうちにやっておこう。

無詠唱でも簡単に出せるようになってきた。

硬さも変わってない。調子も…

「ねぇねぇ！今！無詠唱で魔法出したの！？」

「あっ、見られた…」

「？」

「えーあーっと、内緒にしてくれるかな？」

「いいよ！全然！」

とても元気活発な女の子だなぁと思った。

「もっと見せて！」

「うーん…いい..よ。」

今使える魔法を全部出してあげた。

「わぁ！君すっごいね！名前なんて言うの？」

「僕はネマだよ。君は？」

「私はレイ！特に回復系が得意だよ！」

「回復！？凄いね！」

「君の方が凄いよ！たった一つの魔法で沢山の技になるなんて！」

「回復魔法なんて応用性がないからどうしようもないよ…」

確かにそうかもしれない。

補助魔法の目的は味方に何かをするだけ、

形を変えてもあまり意味はないし、ただ魔素能力を上げるだけだ。

「また機会があったらね！」

「バイバイ！」

「うん。バイバイ。」

今日は難なくと終わった。

リンさんはどうやら今日は仕事で居ないらしい。

仕事の内容が気になってしょうがない。

僕の性格は気になることはやってしまうタイプなのだ。

明日詳しく聞いてみよう。

「ん..もう朝だ…」

「まだリンさんは居ないね…」

「先に学校に行ってこよう。」

「ざわざわ…」

なにやら教室、学校中が騒がしい。

「あーあー、みんなよく聞くんだ。」

「今日、朝にこの学校に不法侵入者が入ったかもしれない。今から直ちに帰るように。」

「えーっまじかよー」

「早く帰ろうぜ！」

「先生達が門まで見送るので多少は安全だ。」

「私は今から不法侵入者を探してくる。」

「おいおいやべえな。」

「ネマ、早く帰ろうぜ。」

なんだか最近よくシンくんが寄ってくる。

いじりもあまりなくなったし、一体何があったのだろうか。

「あ、うん。帰ろう。」

「この学校に不法侵入者って謎だな。」

「もっと近くに有名魔法学校あるのに。」

「やるならそっちやればいいのにな。」

「そもそもやらない事がいいよ…」

「まぁそうだけどさぁ。」

「何で学校に来たんだろうな。」

「何でだろうね。」

「それじゃ気をつけろよー」

「シンくんもねー」

「…」

何かにつけられているような…感じがする。

急いで帰っておこう。

バッ！

思わず振り返った。

気のせい..？

「ちょっと道中怖かったけど帰れた～」

「あ、おかえりなさい。」

「リンさん仕事終わったんですね。あっそうそう。リンさんの仕事教えて下さい！」

「…私の仕事はダンジョン攻略です。  」

「ギルドに入るとパーティーというチームが作れるんです。そのチームでダンジョンを攻略するんです。」

「でも毎日はしません。依頼が来た時にしているだけですよ。」

「ギルド…面白そう！」

「魔法学校を卒業したらギルドに入ってダンジョン攻略もいいですね。」

「さて、修行しましょうか。」

「今日は魔素の増強です。」

「魔素は多ければ多い程良いですからね。」

「これを毎日やるといいかもしれません。」

「まず、魔素を体全体で外に出します。」

「魔素がもの凄いスピードで減るでしょう。」

「うわわ、わ、。」

「慣れてきたらこの魔素を体に纏っていきます。円状にするといいかもしれません。」

「苦手なタイプ…」

「これを魔素が無くなるまでやり続けます。」

「え…」

「魔素が切れたら倒れちゃいますよ..？」

「私が家まで送ります。」

(つまり倒れるまでやらないといけないってこと…)

20分経過。

「もう..むり…」

バタン…

「お疲れ様です。今日はここまでですね。」

「多分聞こえていませんけれど。」

「あ、もう朝…倒れちゃった…」

「おはようございます。昨日は20分でしたよ。」

「20分…リンさんってどのくらい出来るんですか？」

「そうですね…4時間ぐらいが限界ですね。」

「え。」