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高専内資料室。山本は大量のファイルを片っ端から確認していた。その姿は、いつもの適当さとは打って変わり、真剣だ。
「この字…誰のものだ?どっかで見た気がするんだよな…」
ファイルをめくりながら、山本はぶつぶつと独り言をつぶやく。途中、突然「これだ!」と声を上げるが――
[誤報その1]
山本が指さしたのは、全く関係のない「呪術高専の備品管理表」。
「七海さん!これ、この筆跡と似てないか!?」
やってきた七海は、ちらりとその表を見ると即答した。「違う。」
「えっ…でも、似てるじゃん!」
「どこがだ。そもそもこれは備品管理担当者が書いたものだ。お前、無駄に俺を呼び出すな。」七海は呆れ顔で去っていく。
山本は「うぅ…またか」と頭をかきながら、さらに資料を漁り続けた。
一方、七海は単独で上層部の動向を探るため、外部の協力者と連絡を取っていた。
「七海さん、これが最新の情報です。」協力者の一人が渡してきたのは、極秘の会議記録。
記録には、こう書かれていた。
「宿儺の指の完全掌握を進めるため、裏計画の準備を進める。」
七海は眉をひそめる。「やはり…奴らは裏で儀式を進めているか。」
協力者が続けて言う。「それだけではありません。この計画には、どうやら五条悟の封印も関与しているらしいです。」
七海は険しい表情でつぶやく。「五条先生の封印…これも繋がっているというのか。」
山本は相変わらず資料をめくっていたが、ふと立ち止まった。
「これ…」
彼が見つけたのは、古い呪術高専の内部メモ。そこには手書きでこう書かれていた。
「緊急時対応のため、五条悟へ極秘指示を伝達せよ。」
その筆跡は、先ほどの手書きメモとほぼ一致しているように見える。
山本は小さくガッツポーズをしながら叫んだ。「見つけたぞ!この字、やっぱり誰かの特別な指示だったんだ!」
だが、その直後に七海がやってくると、冷静に指摘した。「それはただの伝達メモだ。おそらく五条先生が何かの緊急指示を受けた際のものだろう。」
「えっ…また違うの?」山本は肩を落とす。
七海はため息をつきながら言う。「ただ、この字の特徴を覚えておけ。少なくとも書いた人物は限られている。」
山本は引き続き調査を続け、ついに手書きの筆跡が上層部の特定メンバーのものだと気づく。
「この筆跡…過去の書類にもあった。この字を書いたのは…」
そこで山本が名前を口にした瞬間、七海が割って入る。
「その名を言うな。敵に聞かれる可能性がある。」七海は険しい顔で山本を制止した。
「でも、この字の主が裏切り者ってことじゃないのか?」
「まだ断定はできない。ただ、動き出す準備をしておけ。」七海は冷静に答えた。
派遣命令書
送付先:呪術高専 東京校
派遣対象者:七海建人
指示内容:周辺の呪霊調査および高専内の管理業務補助
手書きメモ(発見時のもの)
内容:「宿儺の指の封印解除は進行中。***寺跡地を調査せよ。」
備品管理表(山本の誤報例)
タイトル:呪術高専 備品管理リスト
記入者:庶務担当 高橋
内容:
呪具A-23 → 修理中
呪具B-12 → 使用可能
書籍類 → 整理済