静かで肌寒くて白い夜は、いつも俺の事を迎えてくれる
今日も生きている、いつもと変わらない日を生きている
この時期になるとあたりの景色は一面は白い化粧をしていて近所のおばさんやおじさんもその雪かきで大変そうだ
冷たい空気を鼻で吸う度に鼻の奥が少しつんと痛くなる
ざくざくと雪の上を歩くと古くて薄汚い俺のアパートに着く
s「…ただいま」
きぃっと玄関のドアを開けると煙草と生ゴミの匂いで満ちた部屋に足を踏み入れた
s「…」
母さんは父さんに振られてからアルコール中毒になった。
家から出ていったかと思えば男を連れて、部屋で盛る。
こんな生活は小学校五年生から始まっていた
なけなしの金で買ったブランド品や化粧品は
机に綺麗に保管されている
足の踏み場もない床は酒缶と煙草の吸殻にカップ麺のゴミで溢れかえっている
s「…母さん、帰ってきたよただいま」
酒缶の上に横になって寝る母さんに声を掛ける
「今日は彼氏が来るから帰ってこないで」
目を開けたかと思えばおかえりの一言もなく家から追い出される
部屋から出るとまた冷たい風が俺を歓迎した
s「今日も寝れないかなぁ」
財布に入っているお金は、母と破局した父さんから生活費とお小遣いを貰っている
月に1回仕送りをしてくれるが、家から追い出されることが多いとお金もすぐに底を尽きてしまう
母さんがパチンコやアルコール中毒になってからは借金を積んでその借金が今では何千万円にも昇っている
詳しい金額は俺にも分からないが、郵便ポストを見ると借金取りらしい封筒からの手紙が何十通も入っていることがあるのでとっくに返済期限は過ぎているのだろう
中学三年生の俺はバイト出来るはずもなく、まだ義務教育の範囲内、学費もまともに払えていない母は既に教師に目をつけられている
こんな問題も子供の俺じゃどうすることもできない。
こんな田舎じゃ暖を取る場所もなければ街灯もない。もうすぐ母さんの彼氏が来る頃だろう。仕方なくアパートを離れた
公園の丸い街頭がひとつ、赤いブランコを照らした
背中に背負っているスクールバッグには五百円ほどしか入っていない財布と筆箱しか入っていない
s「ふぅ…」
ひとつため息を着くと白い息が空気に溶けた
公園の時計を見るともう19時半
お腹がきゅるると音が鳴った
赤いマフラーと持ち前の肩まで伸びた長い髪のおかげで首や耳は寒くないが、ブレザーとセーター1枚だとさすがに冷え込んでこのまま寝てしまうと凍死してしまうだろう
これからどうしようか、そう考えていると丸い街頭の後ろから一つ声が聞こえた
??「…こんばんは」
zmshaです
こういう家庭環境とか雪国とかに産まれたことないので結構リアル度❓がばがばかも…
コメント
3件
めっちゃくちゃ shoさんに同感出来ます 自分も、雪国出身なんで ほんっとに外出ると え?氷水に浸かってる? って位 さんむいですよね 長文&初コメ失礼しました
最高、、、(遺言)
確信しました。私これ絶対好きなタイプの小説だ。