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私たちは事件が起こったマンションの住人である、今回の女子会の企画者の|飯森栞《いいもりしおり》さんに聞き取り調査に向かった。
彼女は私たちをリビングに通すと、コーヒーを出した。
「えーと、まず…
今回の女子会を提案したのは、あなたですよね?」
今回はメインで私が調査する事になった。
私は心の中を整理しながら、質問した。
「そうですよ。
でも、まさか、こんな事が起きるだなんて…
思ってもみませんでした…」
飯森さんは言う。
「えーと、今回の女子会はドリンクやフードの持ち寄り制だったと聞いていますが…?
それも、提案したのはあなたですか?」
「えーと、それは私じゃ無いわね。
端間さんという女性だった気がするけど、はっきりとは…
とにかくみんなその気になって、賛成が多かったからそうなっただけで…
まさか、毒を持ち込む人が居るなんて…」
飯森さんはコーヒーにわずかに口を付けて言う。
「なるほど。
当日の皆さんの持ち込みメニューについて、覚えてらっしゃいますか?」
「もちろんです。
幸田さんが納豆パスタ。
私はチーズグラタン。
島田さんはローストビーフ。
米本さんがサーモンのサラダ。
端間さんは果物のりんご。
佐藤さんがチーズケーキ。
そして、南野さんが紅茶です。」
飯森さんは澱みなく答えた。
「なるほど…
それで、紅茶は最後に出たんですか?」
「いいえ?
料理と一緒に食べていたから、最初からありましたけど…」
「なるほど…
紅茶のカップも南野さんが用意したんですか?」
「えぇ、お気に入りのアンティークの物があるから、と。
6セットあってちょうどいいわね、って話していましたから。
やはり、彼女が犯人なのでしょうか…?」
飯森さんは尋ねる。
「それはまだ分かりません。
南野さんと幸田さんが何か揉めていたとか、そう言った情報はありますか?」
「いいえー?
私たちはみんな仲が良かったですし…」
飯森さんは答えた。
何の収穫も無いまま、私たちは彼女のマンションを後にした。
「はぁぁぁあ…
ノーヒントかぁ…」
「まぁ、そんな事もありますよ。」
宇賀神先生が慰める。
♦︎♦︎♦︎
そして、第1回の裁判が始まった。
今回は私が弁論するのだ。
まずは検察側の陳述から始まった。
「毒殺された幸田さんは遅延性の毒を飲まされていました。
このホームパーティーで出された全ての食べ物&食器を検査した結果、紅茶の入った買ったカップの縁から、幸田さんの遺体から発見されたのと同じ遅延性の毒物が発見されました。
この紅茶のカップは被疑者・南野香織さんがわざわざ家から持ってきた物です。
これが彼女が犯人であるという動かぬ証拠であります!」