コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
猫が居なくなってから数日、
ほんの少しの寂しさを抱いていた時。
いつもより眠気を多く感じたので、少し早いけれど眠りにつくことにした。
_案の定寝れない。
猫のことが気になって気になってしょうがなく、一睡も出来ていない。
(鬱陶しいととか思いつつも、ちょっとは意識してたのかな……)
とか思っていたらば、なぜか気絶するようにフッと眠れた。
「あしたは……何も無いといいなぁ」
こんな儚い願いが、叶うならどうだろう
少しばかりの出来事が、私の身に大きな変化を与えた。もちろん、今日も例外ではなかった。
次の日の朝、眠たさから目を擦りながらベットから下りる。
いつもは餌をくれ と言わんばかりに鳴く猫の鳴き声が聞こえないもんで、少々違和感を抱いていた。
肌寒い中、ベランダに出て黄昏擬をしていた頃、
気づけば私の後ろに、5~6歳位の小さくて、儚げな女の子がベランダの柵に座って居ることに気がついた。
「はぁ……?」
「はじめまして」
幼児にしては早熟で、礼儀の正しい挨拶をするもんだから私は少し驚きの表情を浮かべた。
ただ、初めの時よりかは驚かなかった。
なんだか今までのつまらない生活に光を照らしたような、そんな感じ。
私はなんだか、凄く天使に触れたようで、
あっ、という間に見蕩れてしまった。
その幼児の洞察力は凄まじく、まるでわ今まで私を覗いているのか、そんなような気がするほど。
「あなた…今まで何かに悩まされてきたの?」
_大正解。あの猫の事だろうと信じて疑わなかった。
そうだよ、と返事をするとその子は笑みを浮かべて
「じゃあ問題ないね」
と言い私の部屋へ勝手に入っていった。
流石にマナーがないだろう、と呆れつつも
無視をしてしまえば、あの猫のときと同じ轍を踏むような気がしているから、あの幼児のなすがままにした。
私の部屋をパタパタと駆け回る姿に、なぜだか愛着が沸いた。