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朝起きると、隣に少女が居た。
ここまではもう慣れているのだが……、
何故か翼が生えていた。
「なにそれ……??」
なんとなく既視感が湧いたが、気にしないことにした。
不思議に見つめていると少女が、
「懐かしいでしょ?触ってみる?」
……
「懐かしいって…なによ」
少女の不思議な言動に戸惑いを隠しきれ無いまま、言葉の通りに翼に触れた。
「うん……なんとも」
翼を急に触れと言われても、とくに感じることも無かったので率直に感じたことを伝えた。
「ねぇねぇ、覚えてる?あの時のこと!」
何のことを言っているのかさっぱりわからないので、勇気を振り絞って質問をしてみた。
「さっきからさぁ、懐かしいってなんのこと?」
「覚えてないの?もうー……」
私は首を横に傾げた。
「前、私の事放ったでしょ?」
「猫だった時。」
すごい倒置法。…とか思っていると、ふと当時のことを思い出した。
「猫……。…猫!?」
私は目を見開いた。
「あのときの……?」
「うん、見放されちゃったのは猫だったからなのかなぁって」
……
「いや……関係ないけど
ていうか猫でも人でもあればビックリするよ……」
「そう?」
(じゃなくて!)
「あのときの猫が……?あんたなの?」
暫く沈黙が流れる。
「うん…ざっくり言えば」
信じられない。ここの少女が嘘をついているのかとまで思いたくなるほど。
「…じゃあ、ひとつ聞いていい?」
「んー?なーに」
「なんであの時、あんなことが起こったの?」
あんなこと、とは部屋が有り得ないほど光ったこと。
忘れていたなりに一番印象深かった事を思い出した。
「あれは…正直私もわかんないんだよね。死にそうになってたら急に翼が生えたっていうか…見て欲しくて寄ったんだけど…」
…大幅な意図の誤解。
「…そうだったの……?私てっきり導かれるのかと。」
「あはは!なにそれ〜……」
……「でも…早く覚めないとだめだよ」
少女がボソッと囁く。
「?」
「…いいやっ!なんでもない」
なんのことを言っているの?…そう思った途端に頭痛がした。
「ごめん、体調悪いかも……」
「大丈夫?休んだら?」
「うん。ありがとう…。」
体の重心が無くなったかのようにヨロヨロとベッドの方に向かった。
「疲れた……。」
その後私は、気絶するように眠った。