少し早かっただろうか .
いや、そんなことは無い .
一般生徒がゆっくり 登校する中 ,
部活動生が急いで登校しているのを
目前とする .
教室へ入ると 15人程度 生徒が来ている.
課題が終わらず 悩んでいる人 .
最新の情報を共有している人 .
無駄話をしている人 .
これもまた いつもと同じ .
ひとつ気になったのは隣の席の女生徒だ .
この人はどこかで見たことがある ……
あ … 確か名前は ____
ユメノ セイラ
“ 夢乃 星愛 ”
同じクラスだから見たことあるのは
当然だろう .
…… いや、 つい最近会ったような …
「星愛 ~ !」
隣の彼女を呼ぶ男子生徒の声 .
ふと振り向くとそこには____
「 彰人くん .おはよう .」
そうだ …… 思い出した…
新相棒 の 夢乃星愛 だ .
嗚呼、思い出したくなかった .
胸が苦しくなる .
いや、気にしても何もならないだろう…
机の中に入れっぱなしにしていた本を取り
淡々と読み始めた .
____ピコン
突然のメッセージ音に驚く.
ちょうど読み始めたのだから
ゆっくり読ませて欲しいものだ .
そんなことを思いながらメッセージを見る.
『 放課後裏庭に来て欲しい 』
そんなメッセージを送ってきたのは
つい最近会ったばかりの彼女,白石だった.
また話し合いだろうと思い”無理だ”と
返信をした.
『 無理なら 明日 ! 』
はぁ … そういう問題では無い……
彼女は図太いということを思い出した .
このまま断り続けても明日,明日の
繰り返しだろう .
『 今日で大丈夫だ . 』
『 じゃあ待ってるね ! 』
呑気な事だ .
何度傷つかれれば済むのだろうか …
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「冬弥 ~ !」
裏庭にあるベンチに座っている彼女を
明らかに今から帰ります.という
格好で迎え撃つ.
「何の用だ .」
「あ~ちょっとまって!」
ちょっと待つ? 意味がわからないが
彼女の言う通りにベンチに座り
待ってみる .
「 おい , 用事 って なんだ ___って は?」
俯いていると校舎の方から声が聞こえる
ぱっと顔を上げるとそこには元相棒が
歩いて向かってきていた .
「ちょっと~!彰人遅い!」
ぷりぷりと怒りながら彼女は彰人の
腕をガシッと掴み此方へ連れてくる .
何故連れてくるんだ …… ?
「いや、は?」
“は?”は俺もなんだが .
今1番会いたくない人間に会わされた.
それは彰人も同じだろうが……
「は?って何~?」
「いや、惚けんなよ,なんでここに……」
「それはこっちのセリフだ .」
「ま、まぁまぁ… 昨日の事本当なのか
なって……」
白石…そんなことを聞くのであれば
俺を連れて来ずに2人だけで
会話すれば良かっただろう?
そこで” 本当だ ”と言われて傷ついた顔が
彼女は見たいのだろうか .
「本当以外何があんだよ .」
あっけらかんとした顔で彼は呟く.
やはり… …… あれ 、?
意外と傷つかない……
あ、そうか…
もう どうでもよくなったんだ .
こんな風にはなりたくなかったが…
「で?それだけかよ話って .」
ちらゞと俺の様子を彰人は伺ってくる .
別に怒ってなんかいないのに .
「ちょっと!そんなにハッキリ言わなくて
も!!」
「白石,俺は気にしていない .
それに,何故俺を呼んだのか未だに
分からないんだが……」
彼女は驚いた顔をして此方を見てくる.
何か変なことを言ってしまったのだろうか.
ふとそんなことを思う .
「 冬弥 … 」
「ほら、冬弥も気にしてるじゃん!(小声)」
白石……俺は気にしていない .
本当なんだ, こんなにスッキリしている
ことはなんだか久しぶりなんだ .
スッキリというか……
ポッカリ かもしれないが …
「 あ~ でも、 オレ . 中途半端 な 奴とは
組みたく ねぇ から . 」
彰人はズバッと言い切る .流石だ
「本当に大丈夫だ . 俺はもう クラシックに戻る、だからもう話しかけないでくれ.」
これでいいだろう 、 俺は帰ってから
ヴァイオリンの練習をしなければ
ならないんだ .
「 は …… ? 」
「え … ? あんなに 嫌がってたのに…?」
「嗚呼 . もういいんだ 、 もう ____」
俺はそう言って鞄から落ちた紙に気付かず
そそくさと歩いていった .
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
(ごめんなさい!彰人視点です!ここから)
「あ、冬弥 !」
杏が冬弥を呼ぼうとする.
が、オレは気づいた.
彼の鞄から落ちた紙に .
オレは拾い上げ封筒のようなものを
勝手に開けた.
「あ、彰人!何それ……?」
杏がオレの肩に乗ってくる .
ん? 誰かが見てるような……
視線を感じて周りを見渡すが誰もいない
気のせいか .
「さぁな? 落ちてた .」
オレは嘘をつく.
本当は冬弥のだってことを
「中身何かな?」
勝手に見てはいけないことは分かってるが
彼女も乗り気だ .
気持ちを無くし,開けてみる .
そこには……
1枚の手紙とビリビリの音楽譜面が.
「え… これって……」
彼女が驚くのも分かる.
なんて言ったってこのビリビリの譜面は
頑張ってオレと冬弥が作った
想い出の曲の譜面だからだ .
「て、手紙見てみようよ……」
少し悲しそうな顔をして彼女は言う.
オレは悪気が勝ちながら開けてみる.
(中身)
冬弥さん,
すみません、この間に
お部屋を掃除した時に見つけたものです.
私は知っています.
冬弥さんが心を込めてこの曲を
作っていることを , 作っている
和やかな表情も 、全てです .
ちぎり捨ててあったので,
何かあったのかと心配しています .
本当に要らなくなったのなら
ごめんなさい . でも 私は
この紙を破っている時の冬弥さんの
顔も知っています .
母より _____ .
この手紙を見て彼女は泣いている.
アホらしい.
そんなオレも泣いていることを
5分経っても気づかなかった .
だってよ…紙がところどころ濡れてんだ.
こんなん見たらオレだって
あいつが破り捨てる時の表情なんて
分かりたくもないのに分かっちまう.
「 どうしようかな .」
ふと彼女が声を出す .
「 何が だよ . 」
オレも声を出す .
「 本当に 辞めるの ? 」
聞いてきた .
「 … 辞めたい けどな ……」
本当はやめたくなんかない.
キッパリ言っていた最初とは違い
不断な声でそう言うと,不自然な
視線は感じなくなった .
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「よく出来てるじゃないか.
クラシックに戻って正解だな.
あんな場所二度と行くんじゃないぞ」
「 …… はい 、父さん .」
嗚呼…嫌だ……クラシックにまた
染まっていく…
自分が自分で居られなくなる 。
「……冬弥 。」
「? はい、」
「お前の腕もよく出来てきた.
今度パリへ行かなければならないんだ.
そこで、お前も一緒に成人するまで
居させようと思っているんだが
どうだろう 。 返事は明日でも____」
「行きます 。」
「…へ? よく考えて決めてもいいんだぞ」
「考えました.」
明日まで考えていると、きっと俺は
vividbadsquadのことを考えて
希望を持ってしまうかもしれない 。
「…… 分かった . 引越しは2週間後だ.
学校にも伝えておこう 。」
「わかりました。ではおやすみなさい。」
「嗚呼。おやすみ」
____これで……良かったんだ____
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コメント
7件
初コメ失礼します🙇♀️ ストーリーがドタイプすぎました……😇💕 続き全裸待機します😉これからも応援してます!
どうも、プリ小説の0613ことすいそすいです🥰 続きありがと~(泣) 続きに全裸期待
とやぁぁぁ🥲🥲🥲 ☕のままはだいたいどの作品でも良い人なんだよね。 解釈一致助かる