鬼狩りと鬼族
〜注意〜
あんま話決まってないです。
あやふや時間軸(一応、那田蜘蛛山くらい)
誤字脱字有り
ちょぉっと、口調変えてる。でもあんま支障ないと思う。
うろ覚え。
何でも許せる方向け。
以上、そんなの気にしない気にしないという方はそのままスクロール〜。
蜘蛛の巣は巡り
「ねぇ、何見てるの?見世物じゃ無いんだけど」
数刻前
「気配が2つ消えた……善逸と伊之助が倒してくれたんだな」
調子が良い、と炭治郎は微笑む。炭治郎は今、捜し者をしていた。
そう、炭治郎が相手にした鬼の最後の言葉、「十二鬼月」。そいつを倒さないことには、この戦いに終わりは無い。
「この辺りに居そうな気がするんだが……」
「お兄ちゃん、何してるの?」
「禰豆子!?なんでここに!?」
突然声を掛けられたと思ったら、今まで別行動をしていた妹、禰豆子が居た。
「そんなに驚くことないじゃない。珠世さんに十二鬼月の血を取ってきてって頼まれたのよ」
兄の驚きっぷりにくすっと微笑みながら、ここにきた理由を話す。
「禰豆子、十二鬼月っていうのについて詳しい事聞いてるか?」
少し引っかかっていた事について尋ねる。そもそも、ただの鬼と十二鬼月の違いがよく分からない。
「私も詳しいことは知らないんだけど…。瞳に数字が刻まれてるんだって。それが壱とかだと凄く強いらしいの」
禰豆子は人差し指をぴっと立てながら説明する。
「とにかく、お兄ちゃんも十二鬼月を探してるなら一緒に行動しよう!」
「ああ!」
久しぶりに妹に会えたのだ。今までのことについて少し共有しておこうと思ったのだ。
禰豆子は、浅草で珠世と愈史郎に出会ってから、ずっと鬼の血集めに協力している。そして偶に自分たちのような鬼族の血と人喰い鬼の血の違いを調べたりしているそう。
炭治郎は「ほぇ〜」と相槌を打つ。
すると突然、それらを遮るように甲高い悲鳴が響く。
「!?」
「行ってみよう!」
目の前には子供のような鬼が二人居た。
「いやっぁ…お願い…累… 」
「……」
炭治郎と禰豆子は木の幹に身をかがめて様子を伺う。
「……何見てるの?見世物じゃ無いんだけど」
少年の鬼が冷たい声で言う。
「…何してるんだ、仲間じゃないのか」
息を呑みながら、少年に尋ねる。
「……仲間?そんな薄っぺらなものと同じにするな。僕たちは家族だ。強い絆で結ばれているんだ」
「……何を言っているか分からない…」
眉を顰め、低く言う。少女の鬼はただ涙を流し、すすり泣くだけだった。
「家族も仲間も強い絆で結ばれているなら、どちらも同じように尊い、血の繋がりがなければ薄っぺらだなんて、そんなことは無い!」
声を荒らげ、額に青筋を浮かべる。
「強い絆で結ばれている者は信頼の匂いがする!だけどお前達からは恐怖と憎しみと、嫌悪の匂いしかしない!こんなものを家族の絆とは言わない!」
そう、これこそが紛い者だと思った。
「紛い物……偽物だ!! 」
「!!」
「……!」
少女は驚いたように顔を上げ、少年は歯を食いしばる。
すると、鬼殺隊士が1人やってきた。
「お、丁度いいくらいの鬼が4体居るじゃねえか。こりゃあ有難い」
「っまて」
「てめえはすっこんでろ。大丈夫だ、後でゆっくり殺してやるよ。俺の隊は殆ど全滅状態だが……取り敢えず、お前らを殺して俺は下山する。おらぁっ!!」
「まって!!その鬼は!」
禰豆子が止めに入ろうとするも、遅かった。隊士は少年の蜘蛛の糸によって刻まれた。
「ねぇ……なんて言ったの?御前……なんて言ったの?」
空気が変わった。重たい。炭治郎はその圧に対抗するように、鬼の縦長の瞳孔をさらに細める。
「ああ…何度でも言ってやる!お前の絆は偽物だ!」
その途端、糸が目の前にあった。炭治郎は慌ててその糸を燃やす。
「ふぅん、反射神経はいいね……。お前は人間じゃないから、ズタズタに刻んでから殺してやるよ」
「やれるものならやってみろっ!」
挑発混じりに鼻で笑いながら、ヒノカミ神楽で対抗する。
―ヒノカミ神楽・烈日紅鏡―
「なんだ、この炎……」
鬼のくせにっと少年は青筋を浮かべ、睨む。
「じゃあ、これならどう?」
―血鬼術・殺目籠―
網のような形の糸が炭治郎の周りを覆う。
「しまった……これじゃ…」
死ぬ……。いくら鬼族とは言えど、細切りにされたら再生出来ず死んでしまう可能性がある。
「お兄ちゃん!!」
妹の声のすぐあと、彼女の血が辺り一面に散る。
「禰豆子!!」
「くっ……」
左腕が切断された。その他にも腹にも深い傷がある。炭治郎は急いで禰豆子を抱き、木の幹に隠れる。
「禰豆子……庇わなくて良かったのに……」
「だって……守りたかったの……」
弱々しい笑顔を向ける。
「近くに居た女の子が男の子を庇った?二人して鬼……?」
少女の鬼はどういうこと?と目を見開いたまま動かない。その横で少年は震えていた。
「お前ら……もしかして兄妹か?」
「…だったらなんだ!」
今はそれどころでは無い。禰豆子は再生力が遅い。中々切断された左腕が再生しなかった。
「兄妹……兄妹……妹は兄を庇って……本物の絆だ…欲しい!」
「ちょっ……ちょっと待ってよ、私が姉さんでしょ?姉さんを捨てないで! 」
「黙れ!!」
少年の鬼は、姉という鬼を糸で輪切りにした。
「結局お前達は自分の役割もこなせなかった…」
「…私はちゃんと姉さんだったでしょ?挽回させてよ……」
「だったら、今山の中をうろちょろしている鬼狩りを殺してこい…そうしたら“さっきのこと”も許してやる」
少年はそっぽを向く。姉鬼は既に再生を終え、自分の頚を持つ。
「わ……わかったわ。殺してくる」
そう言って、足早に弟の前を離れる。
「ねえ君……話をしよう」
(話……?)
炭治郎は少年を警戒する。
「僕はね……感動したんだ。君達の兄妹の絆に。この感動を表す言葉はきっとこの世には無いと思う」
胸に手を当て、少年は不気味な笑みを浮かべる。
「だからね……君の妹を僕に頂戴?そうしたら、殺しもしないし、さっきのことも聞かなかったことにしておいてやる」
「……!?」
何を言い出すかと思えば、妹を渡せ?そんなこと、許可するはずもない。少年は続ける。
「家族にはちゃんと役割がある。親は子を守り、兄や姉は下の弟妹を守る。お前はどうだ?お前の役割はなんだ?お前の役は妹を僕に渡して消える役だ。それが出来なければ死ぬしかないよ。だって勝てないんだし」
炭治郎は拳を握る。
「ふざけるのも大概にしろ!!」
「そう、なら契約決裂だね。お前を殺してでも取るよ」
少年は大きく手を振り、糸を伸ばす。
「お兄っ!!」
その瞬間、妹は少年の手元に抱かれていた。
「ほら、もう取ったよ。どう?自分の立場を理解した?」
「禰豆子!!」
「離し……て!!」
禰豆子は抵抗して、少年の顔に傷を付ける。
炭治郎はヒノカミ神楽で攻撃を仕掛ける。
―ヒノカミ神楽・碧羅の天―
少年が飛び退いた時、目の前にはうねる糸しか無かった。
(禰豆子が居ない……!?)
そして、刀に血が降ってくる。それを見れば、空中で妹は宙吊りにされていた。
「禰豆子ぉ!!!」
「ぅ……くっ……」
血が糸を伝って滴る。
「禰豆子を……離せぇ!!!」
炭治郎は今までにない怒りに駆られていた。
「感情に任せてもいいけど……ね」
―ヒノカミ神楽・輝輝恩光―
―血鬼術・刻死牢―
術がぶつかり合い、砂埃が舞う。
「お兄ちゃんっ!!」
糸が軋む。
「煩いよ、少し黙ってろ」
彼が拳を作るのと同時に糸が張り、禰豆子の腕や脚に食い込む。
「いっ……っ!!」
「禰豆子っ!!」
禰豆子は気絶する。
「……?失神…?眠ったのか?やはり、僕達とは違う、興味深い」
「よそ見をするとは…いい度胸だな……!」
―ヒノカミ神楽・火車―
少年は、飛び退く。そして、不気味に笑い、下ろしていた前髪をあげる。
「ふふっ……楽しいなぁ。僕を殺せるなら殺してみろよ。だって僕は、下弦ノ伍 累だからね」
下ろしていた前髪を上げれば、左の瞳には、「下伍」と刻まれていた。
コメント
3件
いやー確か原作ならこの戦いで義勇さんが来たはず! 次の回で来るのかな…🤔💭