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水side
「…っ、お願いします…!」
「彼に、会わせてください……!!」
「何度言えば分かる。王族であるお前が庶民に会うなど、世間に知られたらどれほど我々への視線が厳しくなることか」
「それでも僕は、彼に会いたい……っ」
午後13時ごろ。
僕は必死に父との議論を交わす。
とは言っても、議論なんてカッコつけたが実際はただの僕のワガママだ。
僕が彼を忘れられなくなったのは、つい3日ほど前からで。
名前すら知らないのに、こんなにも夢中になってしまうのはきっと、それほど彼が魅力に包まれているから。
今でも鮮明に覚えている。
燃えるように赤く美しい瞳に宿した光、どこか儚げで目を奪われてしまうような横顔。
あぁ、思い出すだけで胸が高鳴る。
これほど彼に会いたいのに、誰も認めてくれないし、話も聞いてくれない。
だけど、それでも僕はどうしても会いたいんだ。
会って話がしたい。名前を教えていただけませんかと一言、それだけでいい。
「それで名前を教えてもらったら、お茶でもして、仲良く笑いあって、お買い物して…!」
あぁ、想像するだけで居ても立っても居られない!
もうこの気持ちを抑え込むのは無理だ。
だって僕は彼が好きなんだもの。これが一目惚れってやつだ。
自分に嘘ついてちゃ絶対いい結果になんかならない!!僕は男だろ!!
…というのを言い訳に、僕は城を出ることを決意する。父が弟子達に稽古をつけに行く時間まで、会うのは諦めたフリをしていた。
「私はもう行くが、大人しく待っているようにな。」
「はーい、行ってらっしゃいお父さま!」
待ちに待った父の出発。
僕は内心心躍らせながら見送る。
バタンと扉が閉まったことを確認し、いそいそと準備を進める。
時刻は午後15時を回っていた。
彼に会えるだろうか。
そもそも住んでいる場所すら分からないんだ。
そんな中無計画に飛び出して、街の人にでも見つかってみろ、速城に戻され説教エンドだ。
「………フードでも被るか…。」
適当にその辺から持ってきた布を頭にかぶせ、すっかりお尋ね者みたいな格好になった。
まぁ、彼の居場所が分からなければこっそりフードを取り僕の権力やら顔の良さやらで聞き出せばいいか。
「はい完璧!!行ってき……!!」
「……行ってきまーす………」
テンションが上がりすぎたせいで思いきり叫ぶところだった。
そうだ、メイドさんに見つかってもアウトなんだ……。
小声で言い直した後、僕は音を立てないように扉を閉める。
久しぶりに見た城の外。
どこまでも続く夕日が、僕を照らしている。
遠くから剣を振る音がする。
父の厳しい稽古は一度経験したことがあるが、あんなものは二度とゴメンだ。
声を出さず、音も出さず、そーっと門の外へ抜ける。
さぁ、大冒険の始まりだ…!!
「うへぇ……っ」
大冒険の始まり
そう思った矢先、早速壁にぶち当たる。
かれこれ探し始めて1時間弱。全く見つかる気配のない彼。
当たり前と言えば当たり前なんだけど。
「持ち前の運でなんとかなると思ったんだけどなぁ……。」
諦めるしかないかと思うが、1時間弱探したのに何の収穫も無しに帰るのはもったいない気がしてならなかった。
「………人通りのないところ探して帰ろ…。」
この時、諦め半分期待半分だった。
街中探して見つからなかったのに、さらに人の少ない所で見つかるわけあるか。
もしかしたら、彼は少し貧しい人かもしれないから。
そんな気持ちが交差する。
「…よし、行こう!」
フードを深く被り、誰にも見つからないようにする。
見つからなければ聞けばいいなんて考えていたが、声が特徴的な僕は多分すぐにバレるだろうと思った。
「……会えますように。」
そろそろ日が落ちる。
だけど、彼に会うまで絶対に諦めない。
「………ぉお…」
薄暗くて不気味な狭い通路。
きっとここがゲームの世界なら、いまごろ僕はレベル5くらいの雑魚モンスターにやられちゃうんだろうな。
「……うーん」
本当に人がいない。
さすがにここはないか。
そう判断し明るい所へ引き返そうとした途端、怒号が響く。
“テメェ人さまにぶつかって服汚したあげく謝罪も無しかよッ!!!!”
「わっ…」
さすがに治安が悪いな。
絡まれてる人には申し訳ないけど、早く帰らないと僕もあんな風に怒鳴られちゃう。
今度ここの治安改善を父に提案して、今は深く関わらないように……。
「………………っ!?」
ほんの一瞬。
ほんの一瞬振り向いて、怒鳴る人の顔と絡まれてしまった人の顔を見る。
僕は心底驚いた。
だって、彼は……
「ま、待ってください!!!」
“…………あ?”
考えるより先に、体が動く。
だって……
「君、大丈夫……?」
「ぇ……あ…、」
ずっとずっと探していた彼だったんだもん。
“…ガキが一人増えただけで何も変わらねぇよ。あんま大人ナメてると死ぬぞ”
「………っ、僕は、…えっと……」
「あ、あの…、大丈夫です。俺は大丈夫ですから…」
さぁどうしようか。
ここで殴りあったところで僕じゃなんの役にも立たないし、彼を守りながらなんて器用なことできない。
フードを取ったところで、こんな所まで僕ら王族の顔が知られてるとも思えないから意味が無い。
…ああ困った。
僕は今までイバラの道なんか歩いたことないから分かんないよ。
「えっと…………」
かくなるうえは……
「逃げるが勝ちッ!!!」
「うわぁぁ!?!?」
“おい待てクソガキ!!!”
彼の手を引いて全速力で逃げる。
体力も少ないし足も遅いけど…、表に出ちゃえば僕の勝ち。
もし捕まりそうになったらフードを取ればこっちが優勢になる。
…あれ?なんで僕こんな頭使ってんの?
「あの人めっちゃ追ってくるんですけど!?」
「そ、そりゃこっちが逃げれば追ってくるでしょう……!!」
ただ、運良くあの人は足が遅いらしい。
僕も相当遅いが、それでも一切追いつかれる気配がない。
「このまま行きましょう!!」
「え!?」
そのまま僕は走り続ける。
そろそろ体力が底をつきそうだけど、関係ない。ここで減速したら絶対に後悔する。
そしてついに、僕らは街へ戻ってきた。
「ぜぇ……はぁ……」
「はぁ…ッ、」
膝に手をつきながら少しずつ呼吸を整える。
しばらくした後、彼は不信感を抱いたような目で僕を睨み言う。
「……なんなんですか、あなた…」
「そうなるよね。」
そりゃいきなりこんなことされたら誰だって嫌いになるよね。僕でもなると思う。
言い訳も考えても信用されないだろうし、ここは本当のことを言うしかないだろう。
「僕、3日くらい前あなたに一目惚れしてずっと探してたんですよ。今日もわざわざ城を抜け出して……」
「は?一目惚れ?城??」
「あ、名前教えてください!!そして僕と付き合ってください!!!!」
「嫌です。」
「頼むよーー!!人助けだと思ってさぁ…!」
今にも土下座をしそうなほどの勢いで頼み込むものの、全く折れてくれる気配がない。諦めた方がいいのだろうか。
…いや、そんなわけない。だってこの3日間僕は彼のことだけを考えて生きていたと言っても過言ではないのに!!
チャンスを逃すなんて、諦めの悪い僕は絶対にしないから…!
「……やめといた方が身のためですよ。」
「なんでよ」
さっきまでとは打って変わって、いきなり自信なさげに話を始める。
「見たでしょう。俺、あんな薄暗くて汚いとこで生活してるんですよ?あなたみたいな身分の高い人と一緒にいていいような人間じゃないんです。」
まぁ、自分で言うのもなんだけど
今まで身につけるものはぜんぶピカピカで、汚れたものはすぐに買い換えるような家の子供だったわけだから、多少なりともああいう場所には抵抗があった。
でも、それ以上に彼と話したかった。
「身分とか、暮らしとか、僕にとっちゃ全部どうでもいいことなんだよ。僕は君といたい。」
「…俺にとっては良くない。」
必死な僕のアピールをものの数秒で打ち砕かれ、大袈裟な効果音がつきそうなほどショックに見舞われる。
今すぐ地面に両手をついて涙を流したいくらい。
「俺のどこがいいのか分かりませんけど、交際とか諦めてください」
「えええーー……!!」
「わがままな人ですねホント。欲しいと思ったものは翌日枕元に置いてあるタイプの金持ちでしょう。とんだ嫌味です。」
「じゃあ明日僕の枕元にいてくれる?」
「良かったですね。初めて手に入らなかったものが一目惚れした相手なんてロマンある。」
「ロマンの欠片もないよッ!!」
そこからしばらく、こんな言い合いが続く。
気がつけば外はすっかり暗くなっていて、いい加減帰らないと怪しまれそう。
「………僕、帰らなきゃ…。」
「そうですか。さようなら。」
「もうちょっと寂しがってよ。僕ら友達じゃん。」
「……帰ります」
「そんなぁ!!」
悲しむ僕の前で、無慈悲に背を向け帰ろうとする彼。その背中を追いかけようにも、遅くなって帰った後に地獄が待っているだけだ。
外出禁止だなんて言われたら、それこそ今の僕にとって一番の悪夢なのに。
「………、ねぇ…っ!!」
だけど、どうしても会いたかった。
付き合う、とか。
そんな贅沢は言わないから、どうか僕から離れないでほしい。
「明日の16時…、今日と同じ時間にさぁ!またここで会おうよ!!」
「………」
そんな叫びも虚しく響くばかりで、彼は少しも振り向かず暗がりに消えていく。
明日また、僕が強引に彼の生活場所に入ればいい。そう思うけれど、歩いただけで水たまりに足がハマるし水が飛ぶ。お城の人に怪しまれちゃって、会うことすらできなくなっちゃいそうで。
ねぇお願い。
さっき知ったでしょ?僕は諦めが悪くて、わがままなんだよ。
「待ってるから………っ!!」
そう言い残し、僕はその場を後にする。
どうかまた、彼に会えますように。
それだけを考えて、僕は城へと戻った。
「……はぁ。」
城の中は相変わらずピカピカで、何一つ不自由のない贅沢な空間。
0がいくつ付くのか数え切れそうにない値段のシャンデリア、各フロアに飾られた芸術品、見るからに高級そうな家具の数々。
こんなものの何がいいんだ。
ものの価値が分からない僕には、そんな感想しか出せない。
“見たでしょう。俺、あんな薄暗くて汚いとこで生活してるんですよ?”
ふと、彼の言葉を思い出す。
あぁ、僕はなんて悪いことをしたんだと今になって後悔する。
僕にとって当たり前のように存在する自由が、彼にとってどれほど遠い存在か。
やっぱり勢いに任せちゃうとダメだな。
…明日は、ちゃんと話せるようにしなきゃ。
「…今日はもう考えるのやめ!」
そう言い放ち、ふかふかで暖かいベッドにダイブする。
彼は今ごろ何をしているだろうか。きちんと眠れているだろうか。また変なやつに絡まれていないだろうか。
そんなことばかり考えているうちに、僕のまぶたは下へ下へと下がってくる。
……あぁ、明日も彼に会えますように。
「……あれ?」
昨日の約束を果たすために、今日も僕は城を抜け出す。
相変わらず空は綺麗で、ボーッと突っ立っていたら吸い込まれてしまいそう。
目線の先には、見覚えのある人影が。
思わず間抜けな声を漏らす。それと同時に、今すぐ叫びたいくらい気分が高揚していた。
「来てくれたの!!?」
だって、彼がいたんだもん!
どこか遠くを見つめて、この場所に!
嬉しくてたまらなかった。
その反動で彼の手を握りブンブン上下に動かすと、彼は鬱陶しそうに「離してください」と一言。
喜びを抑えろという方が無理だろう。
「ありがとう!!僕すごく嬉しい…!」
「………まあ、暇だったし、昨日あなたが必死だったので。仕方なく。」
「わー僕に会いたかったんだね!!?嬉しいなー!」
「どんだけ都合のいい耳してるんですか」
この塩対応、この間よりも切れ味抜群!
あぁどうしよう?嬉しさで頭がおかしくなりそうだ!!
「ねぇ、ねぇっ!どうして来てくれたの!?」
「…さっき言ったじゃないですか。暇だったんですよ」
「ホントに〜?」
完全に冷やかす僕と、相変わらず鬱陶しそうにシッシと僕を退かそうとする彼。
…あれ?そういえば、僕は未だに彼の名前を聞いていない。
「ね、名前は?」
「知ってどうするんですか?処刑ですか?」
「違うよー!昨日言ったじゃん、君が好きなの!」
「……………りうら」
「え!!めっちゃ可愛い!!」
意外とすんなり教えたことに少し動揺しつつ、やっと知れた彼の名前を心の中で何度も呼び続ける。
りうら。りうら。
なんて素敵な名前だろう。
将来僕のお嫁さんになったら毎日呼ぶのかなあなんて…!!
「…あなたは?」
「僕?僕はほとけ!」
「……不思議な名前ですね」
「よく言われるw」
そんなくだらない雑談の合間に、僕は必死に次の会話を考える。
名前を聞いて、それからどうするんだっけ?
おかしいな、昨日の夜までは完璧に会話できる予定だったのに、いざ対面してみると上手くいかないや。
「あ、そうだ。敬語やめてよ!」
「偉い人に敬語外すとかとんだ罰当たりですよ。絶対嫌です」
「王子さま命令ーっ!!」
「は??」
満面の笑みでしれっと自身の立場を利用する。
だって、こうでもしないとりうらとの距離が一向に縮まらないんだもん!!
「…なにアンタ、王子だったの…。」
「なんか……、ただ城に仕えてるだけだと思ってた…。」
「うん!そこのデカいお城に住んでるよ!」
「…そんなにホイホイ自分のこと教えていいの?もしりうらが悪人だったら、お城に火をつけちゃうかも。」
「あ、一人称はりうらなんだね!」
「関係ないでしょ!?!?」
顔を真っ赤にして照れちゃうりうら。
初めて見る表情にワクワクする。今まで真顔だったり顔が険しかったり、僕に対する警戒心マックスな様子が顔面からひしひしと伝わってきたのに、照れている。
「んー、まぁ城は燃えても建て直すだけだろうからいいんだけど」
「良くないだろ」
「もしりうらがそんな事しても、多分「悪人かっこいい!!」ってアホ抜かすと思うw」
「どんだけお人好しなの……。」
なんだか嬉しいな。
彼がこんなに会話してくれるなんて。
…って、そんな場違いなことを考える。
本当に好きなんだなあ、りうらのこと。
「ねぇ、あだ名で呼んでもいい?」
「…ないよ、そんなもの」
「僕がつけるの!」
今の言い方は、あだ名で呼ばれることに抵抗があるわけじゃないよね。って自分の中で解釈して、勝手にあだ名を考え始める。
りうら…。りうくん、りっくん。
……うーん。レパートリーが少なければしっくり来るものも無い。
まいったな。
ネーミングセンスは絶望的みたい。
「……いっそりうちゃん!!」
「ちゃん!?え、まってりうら男だよ!?」
「知ってる知ってる!!うん、しっくり来た!今日からりうちゃんって呼ぶね!!」
「ちょ、意味わかんねー……!」
咄嗟に思いついたあだ名を口にすると、妙に納得のいく呼び名で、彼の了承も得ずにりうちゃんりうちゃんと連呼する。
すると、やがてりうちゃんも「りうらだってあだ名考えるから」と、僕にとって嬉しすぎる仕返しをしてきた。
「ほとけ……、ほとけ……。」
「………いむ」
「「ほとけ」のどこから来たの「い」と「む」。」
「…漢字って知ってる?」
「知って……、あぁ!!?そういうこと!?」
「うん。だからいむって呼ぶ。」
なるほど、カタカナがいむに見えるってことね。いいセンスしてるじゃーんと軽く小突くと、黙れと言わんばかりに僕を睨みつける。
そんな視線でさえ、僕は嬉しかった。
こんな日々が続けばいい。
「ね、明日もまたここで会おうよ!!」
「ええ……?いいけどさ、いむは怒られないの?」
「バレたら怒られるかもだけど…。僕隠蔽は上手だから安心して!!」
「……あー、聞かなかったことにしとくね。」
夢みたい。
また会えるなんて。会うことを拒まないなんて。
僕ったら、とんだ幸せ者だな。
今まで貰ったどんな高級そうなプレゼントよりも、りうちゃんと過ごせるを貰えるのが一番嬉しかった。
「それじゃあ、また明日の16時にね!」
「はいはい、遅れないでくださいね王子サマ」
城へ戻っていく僕の足は信じられないほどに軽く、無意識に鼻歌を歌ってしまうほどに舞い上がっていた。
どことなく今日の景色はいつもより輝いて見えた。明日もきっと美しい。
さあ、明日は何を話そうか。
あれからどれほどの時間が経っただろうか。
僕らは毎日16時に会って、毎日くだらない話をするのが日課になっていた。
「ねぇ、リベンジしてもいい?」
「えぇ?いむが挑戦して失敗したエピソードなんてありすぎてどれか分かんないよ。」
「うーん、一番最初の挑戦かなあ。」
そして僕は、りうちゃんと過ごす時間が増える度に、好きという気持ちも大きくなっていた。それで、今日は一番最初の。
とても無茶な最初の挑戦の、リベンジをする。
「…あのね、名前を教えてくれない?」
「はぁ……?りうらだけど。」
緊張で心臓がありえないほど心臓が鼓動する。
りうちゃんの察しが悪くて助かった。
「そしたらね、僕と付き合ってください!!」
「は………、」
「あーっ!?!?」
「…思い出した?」
そう、出会って数秒での告白。
あの時は断られてしまったけど、今ならきっと。そう信じて疑わず、今日はここまで来たわけだけど。
…もし、断られちゃったらどうしよう。
「……」
「………知ってるでしょ?俺あんな薄暗くて汚いところで生活してるの。身分の高い人と一緒にいていいような人間じゃないって…」
「身分とか暮らしとかどうだっていい!!僕は……、僕はりうちゃんが好きだから…ッ!」
精一杯の気持ちを伝える。
あの時と同じ結末を迎えてしまうのだろうか。また嫌われてしまうんだろうか。
目を合わせないように、俯きながら言う。
するとりうちゃんは、「バカ」と一言。
「…諦めが悪くてわがままな王子サマは、目を見て告白する度胸もないの?」
「っあ、ご、ごめ……」
急いで顔を上げると、そこには涙をうかべ心底嬉しそうに、そして少し意地悪そうに笑みを浮かべるりうちゃんの姿が見える。
一瞬、ここは本当に現実かと疑うほどに驚いた。だけど、りうちゃんの頬に手を当て、これは夢ではないのだとようやく認識する。
「…ねぇ、本当にりうらでいいの?」
「いいの。一目見たときから、ずっとずっと好きだったから。」
「…ほんと、わがままで強欲な人だ」
午後16時過ぎ。
僕らは、夕日を背景に唇を重ね合う。
「…明日からは恋人として会いに来るから!」
「うん、待ってる…!」
この夕暮れの逢瀬が、永遠に続きますように。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
8000文字ですって。こんな長くなる予定ではなかったんですどね……笑
めちゃくちゃ時間かかりました。遅筆つらい
何気に水赤は初めてでしょうか?
書くの楽しかったです!!
それと、だいぶ今更になってしまいましたが
フォロワー様10人⤴︎︎ありがとうございます🙇🏻♀️
まだまだ頑張っていくつもりですので
今後ともよろしくお願いします🍀