マッチ売りの少女の “転売ヤー”
第1話 金儲け
「誰か、マッチはいりませんか。」
転売ヤーの動きはそれから始まった。
“誰か、マッチはいりませんか。”
それだけで金儲けが出来るんだから、ギャンブルと言っても過言ではない。
「誰か、マッチはいりませんか」
こんな一言で金が儲かるんだ、サイコーじゃないか?
…と言ってもそんなに売れる訳じゃない。
一日に10円から100円程度しか集まらないんだからチマチマやっても埒が明かない。
だから俺はマッチじゃなくて “お前らが欲しい物”を考えて売る。
そんな作戦なんだよ。サツはこんなんで動かないと信じている。
_都会の人だかり_
「誰か、”お花”入りませんか?」
俺は綺麗な花をカゴいっぱいに詰め込んだカゴを人に差し出す。
「あら、じゃあ買うわ〜!」
「貴方、お金ないんだったらおばちゃんが特別に 5000円 あげるわ〜!」
「ホントですか…!?嬉しいです…!」
俺は一瞬驚いたが、平静を装って涙ぐむフリをした。
5000円…かぁ〜。
「少ない。(ボソッ」
口に出てしまう。5000円ぽっちに驚く訳がない。
数時間後~
ついに2万いった…!!
違う人から1万,おばちゃんに2万。
……100万。
100万だよ、俺が求めてるのは…!!
違う…2万ぽっち…!!!
100万…!!
……はあ。
……こうなってしまったのは全部アイツのせいだ。
全部…全部…
100万?いや、1000万。
この俺の心に囁きをいれた。
昔,俺には “転売ヤー” の事を
詳しく教えてくれたヤッバい大人がいた
俺の先輩だったんだよ,それが。
1000万、と俺の心に囁きを入れる。ずっと…
うるさい。
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