続き
注意事項→Prologue、前話参照
追加:アル太中⚠️
ちょっとすれ違ってる
「あ”…?何言ってんだ?太宰は俺のだよ」
キッ、ともう一人の俺(?)を睨む。
だが…、どういう事だ?彼奴は…中原中也、という同姓同名の男2名に二股かけてた…?
そこら辺の女なら何時も口説いてやがるからまだ分かる…が、同性は俺以外見てないと思ってた。
結局は、そんな奴なんだな
「はは…」
乾いた笑いが漏れる。
「なんだよ…、何が可笑しい!」
「彼奴は元からそんな奴だろ…?」
目を見開いて、俺を掴む手を離す。
「じゃあ、じゃあ何だったんだよ、」
「俺は…何で、彼奴なんかに惚れちまったんだよ」
そう言って、涙ぐむもう一人の俺(?)。
こうなったら、彼奴を生かしちゃおけねぇ
絶対に、許さない
「…太宰、連れて来る」
呟いて部屋を出ようとするもう一人の俺(?)の手を掴んで引き止める。
「彼奴、此処に居ンのか!?」
「嗚呼、どうせ中庭かBarで飲んでるだろ」
ばたん。
扉が閉まった。
─中原中也side-1
…彼奴は、俺の事好きだ、って、愛してる、って。
2人共理性がトびそうで、上も下も判らない時にすら
『ちゅうや、すき、だいすき…ッ』
って、俺しか知らない獣みたいな眼で、
……それも嘘?それとも、もう一人の俺(?)への言葉?
そう言われると、俺ともう一人の俺(?)は色々似てるような。
俺と似たような帽子、全体的に黒の服、…身長。
無意識に、首筋を触っていた。
首筋は、彼奴がよく跡をつける場所。
そこに彼奴の跡がある、俺は彼奴のモノ、そう思うだけで安心できた。
今迄囁かれた愛の言葉の数々。
全てが崩れ落ちるような感覚。
不安と……恐怖?
嗚呼、駄目だ、思考がぐるぐる回って纏まらない
そして、気付いた。
俺は…こんなになるまで彼奴に依存してたんだな。
気付いた瞬間、どっと不安が押し寄せて来た
携帯電話を手に取り、太宰の連絡先を探して…
あ…、また…。また彼奴に頼って…
でも、頼れるのが彼奴しか居ない、
こわい、胸がきゅうっと締め付けられる、
だざい、たすけて…
─中原中也side-2
ぱたん。
扉を閉めた。
太宰はどうせBarでいつもの奴等と飲んでるだろう
それか…芥川の所か、師匠だという佐藤の所。
まずはBarだな、誰か居るだろ。
目的地に向かって歩き出す。
腹に痛みを感じる。
胃を掴んで雑巾絞りをしたような、ギュウ、という痛み。
太宰がほんとに浮気してるんだったら、彼奴と過ごした甘い時間は何だったんだ?
中原中也、と名乗るオレンジ髪のアイツ。
アイツも太宰と付き合っているらしい。
俺とアイツが同姓同名なんだから、太宰ももしかしたら…、なんて甘い考えを抱く。
もしそうだったら、どんなに良いか。
恋人は浮気なんてしてなくて、偶々同姓同名の同性カップルが二組あっただけ。
ただそれだけで良いのに。
こんな事はそうそう無いから、きっと俺の恋人の太宰治が浮気をしていたのだろう。
太宰は俺に依存してるんだ、俺も太宰に依存してる。
だから、浮気なんて以ての外だと、浮気の可能性はこれっぽっちも考えなかった。
オレンジ髪のアイツが言った、
『彼奴は元からそんな奴だろ…?』
が頭から離れない。
確かに、俺だって前世は女遊びなんて沢山した。
勿論太宰もそうだっただろう。
でも、転生してからは太宰一筋で、他の奴に目も呉れてない。
…太宰は?
転生したからといって、女遊びを辞めたわけじゃない。
いつもの奴等と一緒に女を買った事だって一度じゃないはずだ。
其処で気に入った女が居て、俺に飽きて…、
…頭痛もしてきた。
考えるのは辞めよう。
此処まで考えた時、Barに着いた。
深呼吸を一度だけして、
心のどこかで、
居ないでくれ
なんて祈りながらBarのドアを開けた。
からんころん
居たのは………
どうだったでしょうか?
次回はダブル太宰登場予定!
あ、因みにPrologueで書類持ってた男の人は秋声です、師匠てのは紅葉さんですね
やっと秋声と中也以外の文豪が…!
では、次回もお楽しみに〜!
コメント
2件
文アル知らないけど尊い!!!すれ違っちゃって辛くなってるちゅやくん×2可愛い!!!増えれば増えるほどよき!!!!!!あ、続き楽しみにしてます!!!