「若井っ!」
「なにこれめっちゃ美味しい!また作って!」
「これは2人だけの秘密だね」
「若井は優しいね」
「若いぃぃグスッ」
「ふふっ若井は面白いね」
「若井……怖くて寝れない……一緒に寝よ?」
「若井……元貴と喧嘩した……」
「若井ニヤッ」
「若井……辛いよ……」
「……」
いつからだろう
涼ちゃんがあまり笑わなくなったのは
「涼ちゃん!」
「ん?っ」
「見て?面白いでしょ!」
僕が変顔した時も
「あはは……」
「わあっ!」
「うぉっ!」
「ちょっと若井……あはは」
「涼ちゃん……大丈夫?」
「ん?何が?」
「その……顔色悪いよ?」
「……大丈夫だよ……ニコッ」
いつも涼ちゃんは笑っているようには
思えなかった
最近、作り笑いが多かった
涼ちゃんリスカしててさ……
元貴に相談しようとしたけど
涼ちゃんもっと酷くなりそうで
できなかった
涼ちゃんはいつでも
優しくて柔らかくて
出逢った時、僕が警戒してた時
ちょっとだけ距離を置いてくれて
同居した時涼ちゃんは少しずつ
距離を縮めてくれて
元貴が最初にピンッときたことが
僕は今になって気づいた
「涼ちゃん本当に死んじゃったの?」
僕は何も喋らない涼ちゃんの体に
聞いた
僕は現実を受け入れることができなくて
何も出来なかった
「涼ちゃんを返してよ!」
元貴が棺桶を掴んでいた
泣きじゃくっていた
僕は涙が止まらなかった
「元貴離して」
「いやだ!涼ちゃん生きてよ、!」
僕も辛いよ
ねぇ涼ちゃん
こんなにも「愛されていた」んだよ?
何で死んじゃったんだよ……
嫌だよ
僕は声を出して泣いた
元貴と一緒に泣いた
僕が泣いた時
抱きしめてくれた涼ちゃんはもう居ない
ふっ
少しだけ肩に温かくなった
「若井……ごめんなさい」
涼ちゃん……
「何で……行かないでよ」
「僕は死んだんだ……」
涼ちゃんの目には涙が流れていた
「涼ちゃん大好き……」
涼ちゃんは驚いた顔をした
「僕は若井を愛してるよ」
「それはずるいじゃん……」
「こっちで待ってるから」
「でも……早く来ないでね笑」
涼ちゃんが笑った
前みたいに笑った
涼ちゃんは正真正銘の笑顔で笑った
僕はその笑顔で心が苦しくなった
嗚呼そうか俺は涼ちゃんの笑顔が好きなんだ
どうしよもないほど好きなんだ
涼ちゃん愛してる……
「バイバイ……若井」
「元貴を支えてあげて……」
「うん……、バイバイ……ポロッ」
「もう!泣かないでよ」
涼ちゃんは僕を抱きしめて
消えた
僕の手にピックが入っていた
これ、俺が欲しかったやつ
どれほどお人好しなんだよ……
ありがとう、涼ちゃん……、
ずっとずっと忘れないから
ちょっとだけ
この人生楽しんでみるから
そっちで待っててね
コメント
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ウワアンうえええぇん(泣)