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nkkym
患者×看護師パロ
nk ー 患者
kym ー 看護師
( kymさん女研居ない設定です >< )
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nk side
がちゃ 、と家の扉を開け 1歩外へ足を踏み出す 。
久しぶりに浴びる日光はとても眩しくて 、 それだけで顔が険しくなる 。
編集のし過ぎで運動をほとんどしない体になってしまったので 、
久々に体を動かそう 、 と思い 、 今俺は家周辺を散歩している 。
音楽でも聞こうかな 、
そう思いながら入れて置いたワイヤレスイヤホンをポケットから取り出して耳につける 。
音楽以外の音は耳から排除され 、 好きな歌だけが俺の鼓膜へ響く 。
そんな感覚が心地良くて 、 少し気分が上がった 。
──── 後ろから速いスピードで迫ってきている車にも気付かずに 。
ぱち 、 と目を開けば 、 視界は真っ白で 。
訳が分からず辺りを見回す 。
すると 、 視界に入ってきた俺の腕には点滴が何本か打たれていて 。
「 … え ? 」
そう思わず声を漏らすと 、 がら 、 と扉が開く 。
『 … あ ッ 、 ! 』
急に部屋に入ってくる男性は 、 目が覚めている俺の姿を見つけて 、
『 目 、 覚めたんですね 、 ! 』
『 先生 、 呼んできます 、 !! 』
そう言うと男性はぱたぱたと走り去ってしまった 。
暫くして 、 先生が俺の部屋に来て 、 俺の体を検査したり 、 なんやかんやして 。
同じ部屋に戻れたのは2、3時間後だった 。
… まあ 、 状況としては簡単に言うと車との接触事故 。
近くに居た人が通報してくれてこの病院に運ばれたと 。
それで 、 俺は1日近く眠っていたらしい 。
… 厄介な所は右腕が少し動かしづらい 。
大して生活に支障は無いものの 、 やはり驚いて 、 少し辛くなった 。
病院には1ヶ月ほど入院することになった 。
ある日 、 病院食が運ばれてきて 。
箸を取り 、 いざ食べよう 、 そう思った瞬間 、
からん 、
箸が手から落ちた 。
なんだか右手に力が入らなくて 。
そんな事実がどうしても受け入れられなくて 、 少しの間放心状態だった 。
そんな時 、 看護師さんが来てくれて 、 俺に食べさせてくれた 。
なんだか情けなくなって 。
大人になってまで飯を食べさせられるって 、 凄い悔しくて 、 涙が溢れ出てしまった 。
「 … う 、 」
『 … あ 、 え 、 ? 』
『 大丈夫 ですか 、 ? 』
「 ごめ 、 なさ … 、 」
「 俺 、 こんな歳なのに 、 なんで人に食べさせてもらってるんだろ 、 ッて 思ったら涙出てきちゃって … 、 」
「 ほんと 、 情けないッすよね 、 」
「 迷惑かけちゃって申し訳無いです 、 」
俺がそう言うと看護師さんは 優しく微笑んでくれて 。
『 … そんな事ないですよ 、 』
『 ニキさんの事故は仕方の無いことだったんです 、 』
『 ニキさんのせいじゃありませんよ 』
『 頼れる時は頼ってください 笑 』
『 … そんな時の為の看護師 、 でしょう ? 』
そう言うとまた微笑んで 、 優しく抱き締めてくれた 。
“ 大丈夫ですよ 、 一緒に頑張りましょうね 、 ”
なんて言いながら 。
看護師さん ── いや 、 キャメロンさんは 、 その後も何かと俺の事を気にかけてくれて 。
『 ニキさん 、 体調はどうですか ? 』
『 今日は右手の調子どんな感じですか ? 』
『 … ふ 、 笑 』
『 ニキさんッて 、 凄い面白いんですね 笑 』
キャメロンさんが俺と話してて笑ってくれると嬉しくて 。
仕事だからって言うのが分かってるから 、 分かってるんだけど 。
みんなにニコニコと愛想を振りまいているキャメロンさんになんだかモヤモヤとした気持ちを抱いて 。
ああ 、 俺にも営業スマイルなのかな 、 なんて思ってしまう 。
… ほんと 、 面倒臭い奴だよな 。
退院の日が決まって 、 キャメロンさんが俺に報告してきてくれた 。
『 ニキさん 、 来週には退院出来るそうです ! 』
『 おめでとうございます ! 』
「 … 早いなあ 、 」
もうすぐキャメロンさんとも会えなくなる 。
それが悲しくて 、 辛くて 。
「 … 俺 、 もっとキャメロンさんと話してたかった 。 」
なんて言ってしまった 。
流石に困らせたよな 、 なんて思いキャメロンさんの顔を見ると 、
『 … え 、 』
なんて言いながら少し顔を赤く染めていて 。
「 … 顔 、 赤いッすよ 、 笑 」
『 … 辞めてください … 、 』
そう言いながら手で顔を覆う 。
なんだかそんな姿も愛らしくて 。
気付けばキャメロンさんの腕をぐい 、 と引っ張ってこちら側に寄せて 。
『 ぉわ 、 』
初めて俺がキャメロンさんに弱い部分を見せた時と同じように 。
キャメロンさんが俺にしてくれたように 。
キャメロンさんの事を優しく抱き締めた 。
『 … え 、 』
「 … 俺 、 キャメロンさんの事ずっと独り占めしたかったの 、 」
「 … でもさ 、 俺たちはただの看護師と患者の関係でしょ ? 」
「 だから 、 最後に一言くらい言っとこっかなって 、 笑 」
「 … 俺 、 キャメロンさんの事 、 多分好きなんだと思う 。 」
「 … ごめんね 、 急に 。 」
俺がそう伝えると 、 キャメロンさんの顔は見えなくなるほど俯いていて 。
キャメロンさんは ぱっ 、 と 顔を上げると 、
『 … 会えなくなるッて分かってるんだったら 、 』
『 … 俺に未練与えるようなことしないでよ … 、 』
目頭を少し濡らしながら 、 初めて敬語無しで話してくれた言葉 。
でもそれは親しみを込めた意味じゃなく 、 俺に向けてへの憎しみのような言葉だった 。
… もしかしたら憎しみでは無いのかもしれない 。
だって今 、 キャメロンさんはこんなにも強く抱き締め返してくれてるんだから 。
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