――砕けた氷の中から、ゆっくりと立ち上がるライア。
しかし、その姿には何かが欠けていた。狂気じみた笑顔も、ふざけた態度もない。代わりにあるのは、ただただ冷たい無表情。
「……ッ!?」
日哉の目が見開く。ついさっきまで、ライアは死んだはずだった。だが目の前にいるのは、紛れもなく彼だ。
「なんで……お前が生きてる……?」
ライアは答えない。ただ、ぎこちなく首を傾げる。
「……オレは……生きてるのか……?」
その声は、まるで別人のように感情が欠けていた。
すると、日哉の背後からもう一つの声が響く。
「当然さ。ライアは、まだ役目を終えてないんだから。」
ゆっくりと姿を現したのは、雨宮だった。薄く笑いながら、その目は氷のように冷たい。
「……雨宮……貴様……!」 吉田の声が怒りに震える。
だが雨宮はその怒りを楽しむように、肩をすくめる。
「ライアは死んだ。でも、僕の異能があれば――死者を傀儡にするなんて造作もないさ。」
「そもそも彼をスカウトした理由は僕の信奉者だからだ。誰よりも僕を信じているなら、傀儡にするのも容易い」
その言葉に、場の空気が一変する。
「……ふざけるな。」 日哉が低く唸るように言った。「お前……ライアを……!」
だが雨宮はその怒りを無視し、ライアに命令する。
「さあ、ライア。お前の力を見せてやれ。」
「……了解……した……兄貴……」
その瞬間、ライアの体が異様な速さで動き出す。
「くるぞ!!」 吉田が叫ぶ。
だが、日哉はすでに動いていた。
「――お前を、解放してやる!!!」
刀を振るい、ライアへと一閃。だが、ライアはそれを軽々とかわし、鋭い蹴りを繰り出してくる。
「……早い……ッ!!」
日哉は避ける。だがライアの攻撃は止まらない。拳、蹴り。そこにはふざけた動きはない。冷徹で正確な殺意だけがあった。
「ライア!!戻れ!!お前はそんな奴じゃねえだろ!!」
叫ぶ日哉。だが、ライアの目はどこまでも空虚だった。
「……兄貴の……命令……」
「黙れぇぇぇぇ!!!」
怒りと悲しみを込めた一撃が、ライアの肩を切り裂く。だがライアは微動だにしない。
「……痛み……感じない……」
「畜生……!」
そのとき、吉田が叫ぶ。
「日哉!!……お前はどっちなんだ!!!」
日哉は一瞬、言葉を失う。
「俺を殺したいのか!?それとも……!」
その言葉に、日哉の心は激しく揺れる。だが――
「決まってるだろ。」
日哉は刀を構え、ライアに向ける。
「兄貴を守る。それが俺の答えだ!!!」
「……ふん、つまらない。」 雨宮はつまらなそうに呟く。
そして、ライアが再び動き出す。
――その戦いは、まだ終わらない。
コメント
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あの、これって私のキャラ忘れられてますか、?
今回も神ってましたぁぁ!!!!! え、まじ?ライアたんすごすぎん???? 、、と思ったら雨宮タァンの異能?何それすっご(? てかあれ?にっちー何か、、お???(? てことはライアたんはなんか、、操られてるみたいな感覚で見れば良いのかな?((( 次回もめっっっっさ楽しみいぃ!!!!!!