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ご本人様には関係ありません
shp → 『』
ci → 「」
わんく
「 … あっつぅ~~ 、…ッ !!!!! 」
『 … いい加減 、その暑そーな髪 切れよ 、… 』
真夏の橋の上 、
手すりは火傷程度の暑さを保つ
目の前のちーのは 、
学期末だからか 、荷物が全然入っててなくて 、
軽々しい鞄をくるくる回す
「 … いやや !!! 」
「 これは死ぬまでずっと切らないからな~ ッ !!!! 」
『 … そ 、笑 』
『 …… まあ 、自分の髪型は自分の勝手だしな 、 』
『 いいんじゃねーの 、笑 』
蝉時雨が強く聞こえる中 、
木陰が揺れる
チーノのふわふわ頭
見るだけで暑苦しい
こいつも自分の髪で困ってるけど 、
なかなか切ってはくれない
『 … 最近 、ずっと暑いよな 。 』
「 いや 、それな !!!?? 」
「 外出た瞬間 、死ぬかと思ったわ 、笑笑 」
…
俺はそういいながら 、ちーのに飲み物を買う
自動販売機のボタンすらも熱くて 、
ほんとは触りたくない
、笑
『 … ほらよ 。 』
「 ナイス~ !!! 」
「 買ってくれるって信じてたわ~!!!笑 」
「 … しかも 、俺が好きなやつじゃーん !!! 」
ちーのは俺が買った
お気に入りのスポーツドリンクを指差して 、高く喜んだ
… 俺って案外優しい方だと俺は思ってる
『 … なあ 、ちーの 』
「 んー?? 」
ちーのは飲んでいたペットボトルを口から離して 、
俺に顔を向けた
『 … 中学卒業したらさ 、 』
『 高校ってどうするん 、? 』
「 … どうするって 、?? 」
『 … あ、いや 、 』
『 どこの高校に~とか 、そういうの 、 』
ちーのはふわふわしてる頭を 、
少し傾げながら考えた
…
「 … べつに 、 」
「 どこがいいとかないかな ~ 、笑 」
『 … そーなんや 、 』
ちーのが望む高校があったなら俺もそこにしていた 。
でも 、ちーのは望んでないみたい
俺は歩いていた足が止まった
それに連れて 、ちーのも足が止まった
『 … じゃあ 、さ 、? 』
『 望んでるもの 、ってある 、? 』
「 … 」
「 望んでるもの 、か 、~ 、… 」
…
沈黙が続く
…
風にちーのの 、髪が凄く揺れる
「 … もう 、望めなかったものもあるかな ~ 、 」
『 !! 』
『 … じゃあ 、それを俺ら二人で叶えよーぜ 、!! 』
『 そしたらまた 、… ッ 、 』
「 出来ないんだよ 、 」
「 これは 。 」
『 … ぇ 、 』
ちがう 、
さっきまでのちーのじゃない 。
急にメガネ越しの目が 、真面目になった 。
風に髪が吹かれて 、目がはっきり見える
「 … 自由になりたかったんだよ 、 」
「 俺は 。 」
『 … ッ 、! 』
ちーのがこんなこと言う理由は 、
家庭内暴力が原因だろう 。
ちーのの夢は 、小さい頃からただ自由になりたかった 。
でも 、暴力で全部がなくなった 。
「 … 今は 、ショッピと暮らせて 、 」
「 楽しくて 、自由でも 、 」
「 … 過去が自由じゃなかったら 、 」
「 今も自由じゃなくなるんだよ 、… っ 、 」
『 ちーの 、… 』
ちーのの目は 、
悲しそうだった 。
苦しそうだった
太陽が彼の顔を隠して 、
彼の顔が途端に見えなくなる
、
「 … 俺の夢は 、 」
「 俺だけが叶える 。 」
『 … ぉい 、… そんなとこ 、危ない 、っ 、… 』
ちーのは 、橋の手すりの上に登って 、
持ったいた鞄と 、飲みかけのペットボトル飲料を 、俺に投げつけた 。
「 … だから 、生まれ変わって夢を叶えるよ 。 」
「 ショッピにも会いに行く 、 」
「 … そのときは 、笑顔で迎えてな 、? 笑 」
『 … ぃや 、…ッ 、こんなの … ッ 、 』
ちーのは死ぬ前提で 、俺に言葉を送る
俺はそれに困惑して 、足が震える 。
ちーのが死んでしまう恐怖に 。
「 … じゃーな 、 」
『 … ッ 、まっ ッ 、……!!! 』
…
瞬きをした瞬間 、
さっきまで目の前にいた彼が居なくなっていた
助けられなかった
手を伸ばせなかった
駆けつけてやれなかった 。
気づいてやれなかった
俺は最低だった
だんだん暗くなっていく下校中の真夏
、
忘れられない夏にされた 。
夏っていいよね
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