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果てしない白の空間。
そこには 巨大な玉座 が浮かんでいた。
「……ふむ。」
玉座に座る 神 は、退屈そうにため息をつく。
白髪をゆるく束ね、金の瞳を細める。
「また失敗作が騒ぎ始めたか。」
神は 宙に手をかざす。
ヴァルドたちの姿が映し出された。
牢獄の中、吸血鬼フェンと向き合うヴァルドたちの姿が。
「面白いな。」
神は口元を歪めた。
「失敗作が ‘血族の一員’ たちと絡むとは……。」
神は指を鳴らす。
ズン……!
天上の空間が揺れ、玉座の周りに 13本の石碑 が現れる。
それぞれの石碑には、 ‘血族’ の名前が刻まれていた。
「第一の血族」
「第二の血族」
「第三の血族」
……
神は、ひとつの石碑に目を留める。
「第十三の血族」
そこに刻まれている名前は、すでに かすれていた。
「そうか。 ‘こいつ’ が原因か。」
神は笑う。
「‘第十三の血族’ は ‘この世に存在しない’ はずだったのに――まだいたとはな。」
神は ゆっくりと立ち上がる。
「さて、そろそろ ‘手を打つ’ か……。」
ザワ……
白い空間に 影が差す。
神の足元から 黒い霧 が広がる。
「神の失敗を ‘許してはならぬ’。」
低く響く声。
神は微笑む。
「わかっているとも。我が最高傑作たる ‘血族’ に傷をつける ‘異物’ は――排除 しなければならん。」
神は 指を一振り する。
カタ……カタカタ……!
石碑が震え出す。
そして、天上の空間に 新たな存在 が現れた。
白銀の鎧をまとい、漆黒の剣を構える 天上の騎士。
彼らの額には、 神の紋章 が刻まれていた。
「‘処理班’ を送れ。」
神は淡々と言う。
「‘第十三の血族の亡霊’ を、完全に消し去るのだ。」
天上の騎士たちが、一斉に動き出した――!