ヴァルドたちがいる牢獄の中。
空気が ピリピリと震え、床がわずかに揺れる。
「……何だ、この感じ。」
ヴァルドが眉をひそめる。
吸血鬼フェンも じっと天井を見つめていた。
「来るぞ。」
その一言とともに――
ドォォォォン!!!
牢獄の天井が 爆発した。瓦礫が降り注ぎ、光の柱が立ち込める。
「っ!? 何が――!」
ヴァルドたちはとっさに後退する。
光の中から 黒いシルエット がゆっくりと現れた。
「第十三の血族の亡霊……貴様らか。」
姿を見せたのは 白銀の鎧をまとった騎士たち だった。
全員の額には、神の紋章 が刻まれている。
「天上の処理班、出動。」
ヴァルドが 目を細める。
「処理班……? 何を処理するつもりだ?」
「貴様らを ‘この世から完全に消去’ する。」
処理班の騎士たちは 一斉に剣を構えた。
ヴァルドは 苦笑する。
「そりゃまた物騒な話だな。」
「抵抗は無意味。」
騎士たちが 一斉に突撃する――!
シュン!
突如、空気が切り裂かれる音。
処理班の 先頭の騎士の首が飛んだ。
「っ!?」
ヴァルドが 驚いて後ずさる。
騎士の背後に立っていたのは――
吸血鬼フェン だった。
「……そう簡単には ‘処理’ させねぇよ。」
フェンは 口元を拭いながら 片目を細める。
血の飛沫が 彼の顔を赤く染めていた。
「貴様……何者だ?」
騎士たちは 警戒しながら 距離を取る。
フェンは 不敵に笑う。
「亡霊さ。」
その言葉に、処理班の騎士たちはわずかに 動揺 した。
「まさか……‘アイツ’ がまだ生きていると?」
フェンは 牙を剥いて笑う。
「神様の ‘計算外’ ってやつだよ。」
ヴァルドが 横目でフェンを見る。
(……コイツ、本当に何者なんだ?)
だが、考えている暇はなかった。
処理班の騎士たちは 再び陣形を組み直す。
「どのみち、処理対象が増えただけ。」
「第十三の血族、完全殲滅――!」
牢獄の中で、 壮絶な戦い が幕を開けた――!
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