曲パロで物語書こうシリーズ
二次創作 死ぬな!で物語作ってみた!
ああ、消えてしまいたい。
消えてしまえば、楽になれる。
死ねばきっと、楽になる
あれ…?
気がつくと、少し古い和室の中に一人でいた。
ここは、どこ?
こんなことになったのは、
数分前の話だ。
色々あって、精神的に辛くなり、
ビルの屋上から飛び降りて…
そして、気が付いたらここ…
あれ?
もしかして…自分、死んだのでは?
つまり、ここは死後の世界??
そう頭の中でぐるぐる考えていると、
見知らぬ男が、襖を開けて自分を見つけては、
笑顔を見せた。
「おやぁ!ようこそお越しくださいました!どうされましたか?」
なんだ、この男…
白いTシャツに、緑のパーカー、緑色の眼鏡をしている。金髪の男が、私を見るなり、明るく振る舞う。
なんだ、この状況は――。
しばらく落ち着いた後、自分は男に色々聞くことにした。
まず、ここは、どこなのか――。
そう問いかけると、男は少し考えたが、また笑って、明るく振る舞う。
「ここは、生と死の狭間です!君は…自殺しようとしたんですねぇ?お間違いないですか?」
なんで知ってるんだ…――??
なんなんだ、この男は。
自分の死因…いや、ここに来た理由を知っている。
『生と死の狭間』…?
なるほど、つまり自分は今、
生きるか死ぬか…分からないって事か。
命からがら、この男に運命を語りかけられてるのか…。
とてもまずい状況だ。
恐らくこれは、自分の意識の中だ。
声掛ければ、起きるかもしれない。
とりあえず、自分に向けて、大きな声で色々言ってみた。しかし、ここから離れない。
意識が、戻らない――。
「今、こうしたって、貴方は起きません…打ち所が悪く、目覚めるのが遅れるみたいです。」
男は悲しそうな顔をしながら言う。
しばらくして、自分を見ては、何か言いたげにしている…。
しばらくして、男は後ろの襖を開けた。
そして、また、話しかけてくる。
「やぁ、さそがし、辛かったでしょう。さぁさ、こちらへ。」
そう言って、案内されるがまま、縁側を歩いていく。
自分は、男の後を歩き、男の話を聞いていた。
「道を間違えちゃあ、いけませんよ。
道を間違えれば、貴方は絶望のどん底に落ちる。まぁ、自ら絶望のどん底に落ちようとしていたんですけどね…、、人間は、怖い。
本当に。自ら自分を壊せて。墜ちていって…」
男は、自分の方にくるりと体を向けて、また語る。
「最終的にはここにきて。消えるか…ここから出ていくか。」
男は何かを知ってるいるように語るので、
何者なのか――。
そう問いかけてみた。
男は一瞬戸惑ったが、それでも、明るく振る舞い、語る。
「申し遅れました。僕は、『けんと』と、申します。簡単に言えば、案内人的な者です!
ああ、案内人って、何の案内人か…わかんないですよね?僕は、生きるか、死ぬかの道をを案内する者でして!」
と、凄い事を言いながら、明るく振る舞う。
なるほど、この人は自分の人生を決める人…
自分の意志では決められない運命を選ぶ人なのだ。
間違いない。
しばらく歩いて、着いたところは、少し不気味だった。
青く染まった薄暗い和室。
昭和テレビには、砂嵐が映っており、部屋の真中は、スポットライトのように白い光がある。
そこに、けんとが立つと、自分の方に手を伸ばし、
こう告げる。
「願い事は、ございますか?」
願い事――。
叶うのであれば、この世から消えていなくなりたい――。
そうけんとに言うと、男は、難しそうな…悲しそうな…そんな顔をして言う。
「それはもう…“叶っておられます”…。」
え――?
どういうことだ、
ここは生と死の狭間じゃないのか…??
まさか…
「もう…あなたは、亡くなっておられます。
どうやら…即死だったようです。」
自分の心の底から、嬉しさが込み上げた。
しかし、けんとは悲しそうな顔で、自分に語りかける。
「…どうか、“死”も、大切にしてください。
でも、“死ねば、楽になる”なんて、考えないでくださいね…その考えがいつか…後悔の元となるのです。『死ぬって…なんだろう。』そう聞かれた時、あなたは何と答えますか?」
…死ぬって、なんだろう…――。
楽に、なれそう――?
自分の思った事を、男に正直に話した。
けんとは、喉に感情が詰まって、声が出ないのか、
喉を抑えながら、震えた声で、
「“馬鹿を言うなよ…。”それで、楽になれたら、どんなにいいことか…。」
ああ…そうか。
結局は、死んだって、報われないんだ。
もしかしたら、けんとは…
もう死んでしまって、幽霊になって…
ずっとここで一人だったのかもしれない。
そう思うと、段々、後悔の感情が溢れ出す。
自分もいつか、一人になってしまう。
そうなのかもしれない。
死んでしまえば、楽になると思っていた。
本当は違う。
死んでしまえば…誰も、気付くこともないまま、いなくなる。
そう、遺書も無しに自殺してしまった。
誰にも知られないまま、自分は消えた。
「そう、人間は、若ければ、若いほど、先立って逝くんです。遺書という名の、お便りもなしでね。」
よく見たら、けんとの首元には、縄で締め付けたような後がある。
もしかしたら、けんとは自殺してしまったのかもしれない。
「貴方もお若いですね、、
おいくつですか…?」
悲しそうにけんとは年齢を聞く。
自分は、自分の年齢を告げる。
すると、けんとは、目に涙をためながら、
自分を薄暗い和室に閉じ込める。
そしてかすかに聞こえた、けんとの声。
「幸せになってください。」
その後、男は、
この和室に戻ってくることはなかった。
死ななきゃ、よかった。
死も、大切にしなきゃ。
自分は思う。
『けんと』。あの男に会えてよかった。
これからもずっと、後悔に囚われていくんだろう。
ずっと。
この先も。
もう、ここからは出られない。
死んじゃ、ダメだったんだ。
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