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私の疑いは晴れて、やっと普通の日常生活を送れるようになったが、証言した本人の陽大は元気がなさそうだった。
私の可能性がない、とされただけで由紀の事件は解決していなかった。まだ他殺だとされていて、今でも捜索が続けられていた。
その中で一つの可能性として
「私が罪を着せられた」可能性が浮上していた。
ゴム手袋からなぜ今になってDNAが出てきたのか…。普通の生活には戻ったけれど、ずっとそれが引っかかっていた。
教室移動で技術室に移動する。友達も置いて早くついてしまったので、少し前まで手入れしていた花壇に向かった。雑草を抜こうと思ったが、そこでいつも使っているゴム手袋がないことに気づいた。
「…!もしかして、」
「あーあ。」
「!?」
「気づかれちゃった。」
「陽大…?」
不確かな足取りでこっちに向かってくるのは紛れもなく陽太だった。すべてを悟ってしまい、私は後ずさる。
「そうだよ。俺が由梨のゴム手袋奪って海に捨てたんだ。」
「………」
状況はわかったものの、そんな事をする意味がわからなかった。第1その疑いを晴らしてくれたのは陽太自身だったからだ。
「なんで、」
「由梨は由紀のこと好き?」
「どういうこと?」
「好き?」
「…うん。友達として」
「そうだよな」
「………」
「最初はただ、由梨に俺のこと好きになってほしかったんだよ。」
「…え?」
「でも由梨がずっと由紀に構ってるから。」
「だからってそんな」
「由梨が弱ってるとこに漬け込めば好きになってもらえるかなって。」
「………」
「どうしようもなく好きだったんだ。由梨」
「意味が…わからない」
「由梨?」
「なんで?なんでなんでなんで?だからって、違うじゃんか…!」
「………」
「ゆ…きぃ…ぅあぁ゙あ゙ぁ─────」