side若井
※中学生になってます
※色々設定変わってます
今朝、俺の彼女が死んだ。理由は不明らしい俺の家で遊んで、一緒に寝て朝起きたら息を引き取っていた。勿論その場の近くに居た俺はきっちりと警官に事情聴取をされた。俺が彼氏なのを伝えて大好きな人を殺すわけが無い、と言えば警察は直ぐに頷いて部屋を探索し始めた。部屋には何も無く、本当になんで死んだのか分からないらしい
数日後、葬式が開かれた。
周りの人も、俺も泣いていた。彼女の遺影の前で手を合わせて、その場で深く頭を下げた。そのまま線香を上げて、椅子に戻った。
泣きながらお経を聞いて、遺影を眺める。
そのままお経が終わるまでずっと数珠を力強く握り締めていた。
葬式の掃除も全て終わったら、俺は帰ることにした。多分、あそこで寝たらきっと寝れないまま泣き喚いて迷惑だから。帰って一人で蹲って泣くことにした。
不運にも明日学校があるから、早く寝ないといけない。なのに、寝れない__寝れるわけが無い。世界で一番大切な朝起きたら冷たくなっていて、すぐ正気に戻れる人は居るのだろうか。とりあえず、と寝れないくせに目をギュッと瞑ってソファに寝転がる。
朝が来た。寝てないのに眠くない。
正直言うと、学校なんて行きたくないし、部屋から出たくない。悪い夢だったらいいのに、 そう考えながらもソファから重たい足を机まで運ばせて、何が入ってるかも分からないリュックを手に取る。そのまま部屋のドアを開けて、階段を降りる
リビングには誰も居なかった。母さんは夜勤で昼まで帰ってこないし、父さんは海外赴任中。実質この家には俺しか居ないってこと
朝ごはんなんて、食が喉を通る気がしなかったから食べないで家を出る。
そのまま歩いて学校に向かっていると、登校している元貴に声を掛けられる。
「元気無いけど…どうしたの?」
俺の彼女が息を引き取ったことは元貴は知ってるはずもなく、普通に話しかけてくる。
俺は口を精一杯開けたつもりで話した。
「いや….彼女が……さ、、」
「彼女が?」
「…..ッ死、んだッ…、」
「….え」
俺は泣き出してしまった。
泣き崩れて、その場に座り込んで、泣き喚いた。周りの生徒達はせっせと駆け寄ってくるが、元貴が今はそっとしておいてあげてください、と一声かければ皆ザワザワしながらもその場から引いて行った。
…ザワザワしながら聞こえた一声が
「よかった」
これだけは確実に聞き取れた。
よかった、とホッとして言っていた声が。
明らかに、元貴の声だった。俺の背中を摩ってくれているはずの元貴が。
嘘だ、嘘だ、元貴がそんなこと言う分けないのに、明らかに元貴の声だった
俺はパッと上を見上げると、意味がわからないほど笑顔の元貴が俺を見ていた
「…もとき、、?」
「なあに?」
笑顔で俺に問いかけてくる元貴の顔が恐ろしい。
「さ…っき、、な..ん、て、、?」
俺が勇気を振り絞って元貴に聞くと
「よかった。」
急に笑顔を消して元貴が言った
背筋がゾッと凍ったような気がして、俺の背中に添えてある手をパシッと振りほどいて、下駄箱まで走った。追いかけてくる元貴から見えないように走ってトイレに駆け込んだ。
個室に鍵をかけて数分蹲って居たら、チャイムがなったからかトイレの中を探す足音も無くなった。個室の鍵を開けて恐る恐るドアから顔を覗かせると、流石に諦めたのか、もうトイレの中には居なかった。ホッと一息をついてトイレから出ると、 後頭部に鈍い痛みが走った。
目を覚ますと、薄暗い部屋の中のベッドの上で拘束されていた。
…なんとなく察しがついた。元貴が来るまでに逃げないと。
結束バンドの外し方は動画で見た事はあるが、生憎手は後ろに固定されていて、自由に腕を振ることは出来ない。
だから、足の親指同士に付けられている結束バンドを取る事からやろう。
足に顔を伸ばして結束バンドに歯を届かせる。そのまま噛みちぎれば…
ガチャ
俺がどうにかしようとしてる時、部屋のドアが開いた。案の定入ってきたのは元貴だった。焦って結束バンドから口を離すと、
「なにしてんの?」
と冷たく言う元貴の声が耳に入った。
部屋が薄暗いせいで元貴の顔はよく見えない。 だから、今怒ってるのか笑顔なのかも分からない。最悪だ
俺はどんどん近づいてくる足音に震えて待つことしか出来なくて、その場で体を丸めた。
ピタ、と足音が止まって近くに元貴が居ると分かった瞬間に背中に手を当てられた。
あの時の、背中を摩ってくれた手と同じ感覚で背筋がゾッと凍った。
「や….、やめ、..」
「何をだよ」
俺の掠りきった声を消すように低い声で囁く。その内俺の背中にあった手が俺の腰に移動されていた。
「ッ…やだ!!」
俺がそう叫ぶと
「はいはい、静かにね」
と口に手を当ててくる。
もう一個の片手で俺の腰をグッと掴んで、俺の目と元貴の目が合うようなところまでグルッと回転させられる。
すると元貴は、俺の口から手を離して、首まで両手を移動させた。
今、俺の体制は仰向けになっていて、その上に元貴が乗っている状態になってる。つまり、元貴に馬乗りされている。
「今俺がさ、若井の首絞めたらどーする?」
震える俺にそう問いかける。
勿論、死ぬだろうし、俺は元貴に抵抗するし、元貴の事が嫌いになる。
「ッ…しぬ、」
俺がそう答えると元貴がニッと笑って、俺の首に置いてある手にギュッと力を入れる。
「や、、やだ…」
そう言いながら俺が元貴の手首を離すように掴むと、元貴は更に力強く俺の首を握る。
息ができない。苦しい
「ッあ、…、や、めッ、!!」
「うるさいなぁ」
息が、ダメだ、このままじゃ死ぬ
どうにか、どうにかと足を動かしてもその小さな抵抗は元貴に効くわけもなく、イラついた元貴が更に、さっきよりも強く俺の首を締める。
「は、、ッ、もと、ッ..や、ッめ…」
視界が暗くなってくる頃、横に顔を倒すと、俺の顔の隣に鋭い刃のやや小さめのナイフが置いてあった。
「ッ、、も…….と….、」
苦しい、苦しいよ
助けて。
『昨日の午前11時頃、男子中学生2人が部屋で死亡した、と通報が入りました。警察は自殺として調査を進めています⋯』
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こんにちは、初めまして
これからほのぼの、シリアス、ギャグやロマンスなどを書いていきたいと思っています
伝わりずらい表現などもあると思いますが、これからよろしくお願いします
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