第七話 . 壊れかけている思考 _ 。
飛び交う声
俺の名前
天城の嘆き
もう 、 どうでもいい 。
お前も 、 お前らも 。
全部どうでもいい
俺は救われないでいい
東城大からしても
お前らからしても
俺は邪魔な存在なんだ 。
何もかも全部 、 間に合わない 。
お前らが俺のことを止めるのも
俺自身がこの足を止めるのも
叶わないことだな 。
あぁ 、 俺 、 迷惑なやつだな 。
最初から最後まで 、 迷惑なやつだな 。
いや 、 迷惑なやつだったんだ 。
二階 、 三階 、 四階 。
俺の足が止まることはない 。
“ 渡海 ! ” 珍しく佐伯も声を上げている 。
「止めろ ! ! ! 」
「渡海先生を止めるんだ ! ! ! 」
「何をしてる ! それ以上は行くな ! 」
逆になんでお前らは俺を止めるんだ 。
邪魔なものが消えるんだぞ ?
迷惑なやつが散るんだぞ ?
これ以上ない幸福がやってくるのに 、
どうしてお前らは不幸になる道を選ぶんだ 。
天城が全力で渡海の体を止める 。
全身の力を使って 、 息を上げながら 、 渡海のことを止める 。
なんなんだ 、 お前は 。
お前になんて 、 期待してねぇよ 。
「どうして涙を流しているんだい … ? 」
涙 … ?
んなもん … 、 流して … 、
渡海の目から 、 雫が零れ落ちる 。
悲しいのか 、 嬉しいのか 。
はたまた残酷なのか 。
何をしても追いかけてくる 『 時間 』
中途半端な 『 救い 』
感情から逃げるための 『 嘆き 』
俺は 、 何が欲しくて 、 何が怖いんだ 。
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