「それでは、明日から四連休なので、部活のある人は部活、テストが危うい人は勉強と、各々やることやって、ゆっくり体を休めてください! 以上です!」「起立、ありがとうございました」
「ありがとうございました」
なんてことの無い日常。学校に来て、学んで帰る。私は部活をしていない。SHRが終わったらすぐに帰る。
帰ったあとは暇だ。長期休みとかでない限り宿題は出されない。
「うーん、振替休日で四連休できたけど、やることがなくて暇だなぁ。部活も面白そうな部がないし」
ふと、中学校の同級生のことが頭に浮かぶ
「……最近やなべぇと話してないなぁ。」
クラスのみんなは同じ学校に進学したが、ヤナベだけは違う高校に行ったのだ。ほとんど会うことは無い。住んでる地区は一緒だが、学校の時間帯が違うので、結局会う機会は無い。
帰ったらチャットアプリで連絡しよう、そう思った。
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家に帰宅すると、ポケットに入れていたスマホの通知音が鳴る。
「誰からだろう」
そう思いスマホの画面を見ると、中村ヤナベと書いてあった。そしてチャットを見るとこんなことが書いてあった。
「明日の午後一時から久しぶりにみんなであそぼー。場所はいつもの公園ねー」
それを見た私はすぐにこう返信した
「りょ! 友達も誘うねー!」
チャットアプリを開いたまま、カレンダーの2月4日に印を付け、メモを書く
「午後一時、公園っと」
「あ、そういえば、ヤナベと話そうとしたんだ。」
「……まあいいか。どうせ明日会うし。」
明日は日常の中でも非日常になりそうだ。
「久しぶりにたのしい一日になりそうだぞー♪」
……
あ! そういえば夜ご飯食べてないし、お風呂も入ってなかった! 着替えてもないし!
早く寝たいし、さっさと終わらせちゃおー
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翌日、身支度をし、公園に来た。公園にはもう既に青いジャージを着たヤナベが来ていた。
「あ! まい!」
私のことを見つけたヤナベが先にそういう。
「やっほー♪ やっぱりジャージなんだね 最近会ってないけど、元気だったー?」
と、呼び掛けに反応する。
「いやー、なんか最近体の調子が悪くてねー、なんか体調とか鬱とかそんなんじゃないんだけど、なんかこう、筋肉の使い方を忘れたというか」
「筋肉の使い方忘れたの!? 馬鹿なの!?」
「もしかしたらニワトリより記憶力弱いかも」
「逆によく来れたね……」
「筋肉の使い方は忘れるけど予定は忘れない」
「あんまりかっこよくないし、なんならギリダサい」
「おっと? まあかっこよくないことは同意するけど。」
「そういえば、まだ他の子は来ないの?」
「来てないよー。ちなみに今十二時三十分ね。」
「あれ? 十二時三十五分からじゃないっけ?みんな来そうだけど」
「え? 一時って言ってなかった?」
「え?」
確か十二時三十五分だったよなとスマホを見返すと、そこには午後一時と書かれていた。
「あ、記憶違いだ。カレンダーにもメモ書いたのに」
「まいは視力が足りないんじゃない? メガネにレンズ入れたら?」
「大丈夫そもそもメモを見てなーい。てかなんで私のメガネ伊達メガネって分かったの?」
「そりゃあ、そもそもまいが着けてるの枠だけのメガネだもん」
「そうだった!」
「……ん? 集合一時なのになんでこんな早く来たの?」
「時計見間違えた。」
「っ……もうなんかの病院行った方がいいよー」
あやうく笑いそうになった。危ない危ない
「何科?」
「うーん……整形外科?」
「いがいとガチで答えrrた。」
「これも最近なんだけど滑舌も悪くなった。」
「珍しいねー。大病じゃなきゃいいんだけど。」
「糖尿病だったりしてね」
「うっ……」
私はいっつも甘いものばっか食べてるから将来なりそうで怖い……
「糖尿病は私も気をつけなきゃ行けないやつ。」
そう話していると、三人友達がやってきた。盛合くん、澤内ちゃん、五月雨ちゃんだ。
盛合が先に話す
「ひさしぶりです! 先輩!」
「あ、さかりごうくん!」
「やめてあの日を掘り返さないで!」
はじめて盛合くんと話した時、名札を見てさかり ごう くんだと思って喋ったら冷静に盛合ですと言われたあの日を思い出す。
「掘り返された恨みを墓場まで持っていくがいい」
「こわいよ? まいは怒ると怖いんだから。憎悪がすごい。あとオーラも」
そんな話をしながら、ボードゲームだったり鬼ごっこだったりかくれんぼしたりした。
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5時の鐘が鳴った。いつの間にか5時で、楽しい時間はすぐ去るということを実感した。
5時なので、友達3人は帰ってしまった。
ヤナベが小言で喋る
「あの……ああ、まあ今じゃなくていいか……」
「ん? なんか言った?」
「ああ、なんでもない。帰ったら電話出来る?」
「出来るよー。」
「よし、じゃあ僕らも帰ろうか。」
ベンチを立ち、家に帰る。今日はとても楽しい日だった。
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