プロローグ はじめまして。東雲さん
多分始まりは母さんが死んで俺が独りぼっちになった日だった。俺の中学の入学式の帰り、母さんは信号無視をした車に轢かれてその場で息を引き取った。その時あいつは「ざまあみろ」と言いながら笑っていた。
今もあいつのことは忘れていない。もしあったら殺したい。母さんと同じ思いをしてほしい。
ずっとそう思ってる。あいつのことだけは恨み続ける。
このことを言うと「お父さんいるからいいじゃん」とよく言われるが父さんはいない。俺が1歳の時に死んだ。母さんが死んでから、もう人とはかかわらないようにしている。
大切な人が消えるのが怖くて仕方がなかった。
友達がいたほうがいいのはわかってる。でも、これは自分のためだ。俺自身のためだ。そう言い聞かせてきた。
「東雲さん」
この声が聞こえるまでは。そしてその声の正体は母さんを轢いた車の運転手だった。
「はじめましてじゃねぇよ…クソ運転手」
「聞こえてますよ。誰がクソ運転手なんですか?」
お前だっつーの。
そう言いたかったが怖すぎていつの間にか飲み込んでいた。
「それじゃあ、今日は二人で帰りましょう」
「は?何言ってんの。母さん殺した奴と帰るわけないじゃん」
俺がそう言った時目に光が消えた。それと同時に、目の色が翠色に変わった。
「確か、あなたの名前は天哉でしたっけ?天哉さん。あなたのこと」
俺の手は何時の間にか汗でいっぱいになっていた。
東雲 天哉(しののめ あまや)
高校2年生。一人暮らし。
父は天哉が1歳のときに、母は中学校の入学式の日に亡くなった。友達はいない
コメント
10件
…やばい。 小鳥遊って書いてたから「天久鷹央の推理カルテ」の小鳥遊かと思った…
さ、さ、殺人鬼?!
話の入り方とかお話しとかやっぱり上手だね…!! 続き気になる✨ 私まだネタが(スランプ気味かも 今まで普通に思いついてたものが全く思い浮かばない、不思議だなぁ