セイラちゃんとサン君が来てから3日が経ちました。未だセイラちゃんは暴れん坊です。
「でぃみにゃー!あーそーぼー!」
「おにごっこな!おれ、おに!」
セイラちゃんはディミニア君とかなり仲良くなり…
「サン君!なんかひーて?」
「うん。」
サン君は女の子から人気です。そしてこの子達の親は毎日のように通ってきます。うん、仕事しよ?けど、私はまだここのことを知れてないのかもしれない。魔法なんてなんにも知らないし、魔王の存在は前知ったばっかりだし。
「ユラギちゃん、この子寝かしつけておいて。 」
「分かりました!」
子供たちを寝かしつけるのもなれたもんです。そんな私には大好きな子供がいる。それはレイ君とエアリスちゃん。レイ君は犬獣人の子供。きょとんとした顔が可愛い。エアリスちゃんは大人しく、まさにプリンセス。いつもくっついてくる。
「ユラギせんせい、今良い?」
「うん、今寝かしつけたばっかりだから騒いじゃだめだよ?」
「うん。」
エアリスちゃんは私の膝に座り、本を開いた。
「これ、そーしそーあいってなに?」
「え…。」
なんで保育園の絵本に相思相愛があるの?へんな事叩き込もうとしてるでしょ。相思相愛って。
「えっとねぇ、男の人と女の人がどっちも好き…って思う事、かな?」
「へー、せんせいはそーしそーあいしてる?」
「えっ。」
ほらね?こうなるからやめよう。よし、この本は後で捨てておこう。
「せんせー」
「レイ君どうしたの?」
「僕4さいなった!」
「おめでとう、レイ君。」
さて、今日もいつもと同じように頑張ろう。
「ねね、せんせーはなに属性なの?」
「え、先生?」
セイラちゃんがそう聞いてきた。属性って言われても、私魔法使えないからなぁ。
「先生はね、魔法が使えないんだ。」
「?属性は魔法使えなくても産まれたときからあるよ?」
「え、そうなの?」
するとガゼリアさんが来た。今日も相変わらず洗濯されるようで。タオルやらを沢山持っていた。
「属性か?ギルドで見て貰えば良いんじゃねぇか?」
「ギルドってそんな事出来るの?」
「せんせー知らないの? 」
はい、知りませんでした。ギルドって冒険者が仕事をだけの貰う場所だと思ってました。
「俺、属性見れる…。」
「えっ。」
そこに現れたのがサン君だった。流石魔王の子供。
「君、凄いなぁ。」
「…試しに見てあげようか?」
「俺のか?」
「うん。」
サン君は目をつむり、両手を出した。
「ガゼリア・ガウル(47)水属性。…他は言わないでおく。」
「おおっ、あってるぞ」
ガゼリアさんって47歳だったんだ。見た目では分かんないな。結構壮年なんだね。
「な、なら私も見てくれる?」
「…うん。」
またサン君は目をつむり、両手を出した。
「加賀峰ユラギ(25)創属性。創造神の加護…種族、人間。」
「えっと…創属性ってなに?」
そう聞くとガゼリアさんは顔色を変えた。あれ、創属性って凄いの?もしくはやばいの?
「えっとだな。ユラギ、創属性は100万人に一人と言われる幻の属性なんだ。」
「しかも創造神の加護つき。」
そんなに凄い属性だったなんて…私、運全部使い果たしたかも。
そう思っているとセイラちゃんが私の目の前に来て、自分を指差した。
「私も、そうぞくせー。まおーとそうぞうしんの加護つき★」
「ガゼリア先輩…あたし、夢見てるみたいです。」
「アルマ、奇遇だな。俺もだ。」
「ほんと…リールベントの園児たちには驚かされるわ。」
ちょ、ちょっとそんな顔で見ないで下さいよぉ。自分でも自分が怖いんですから。
「ふふ、お困りのようですね。」
「天神さんっ!」
いつもと同じ着物姿で天神さんがやって来た。
「セイラちゃん、サン様、お久しゅうございます。 」
「やほー」
「ん。」
え、なになに、知り合い?サン様って。
「えっと、知り合い?」
「ええ、お二方は産まれたときから存じ上げております。」
「おにーさん優しいんだよ。 」
「そうなんだ…」
そんなことは置いといて、私は天神さんに創属性と創造神の加護について聞いてみた。
「ほう、創造神の加護ですか。それなら貴女のご友人の神城君では?私は創造神ではないので。創属性も同じです。」
「ほへー。」
琴羽、ありがとう。こんな私を加護してくれて。次私の家来たらケーキ奢るよ。
「…もう、なんも言えねぇ。」
「ガゼリア、奇遇ね。」
「まぁ、神城君と会って聞いてみてはどうですか?」
「はい、そうしますね。」
よし、ガゼリアさんたちの顔はもう見ないで…。
「せんせー!遊ぼ!」
「うん、遊ぼっか。」
加賀峰ユラギ(25)今日も先生として役目を果たしています!
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